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実践アサーティブ  
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やりがいの継続

?WBC(ワールドベーズボール・クラシック)で、日本が2回連続制覇しました。
記者会見では、松坂投手は「想像以上に楽しめた」とコメントしました。
「楽しめた」と口々に語りましたが、チームの代表格であるイチロー選手はプレシャーと疲労から胃潰瘍になりました。

その言葉を公に使ったのは、日本プロ野球から大リーガーに移った野茂投手でした。
パイオニアとなった野茂投手は、前例がない状況で契約問題などトラブルを乗り越え、重圧かかかるはずの局面で「楽しみたい」とコメントしました。
それはパイオニアとして肚をくくったひとことで、決意した瞬間の美しさが凝縮されたアサーティブな言葉でもありました。

モチベーションとWBC(ワールドベーズボール・クラシック)

スポーツの世界では、 いまでは野球だけでなく「楽しむ」とコメントする人が増えましたが、この「楽しい」の意味はどういう意味なのでしょうか。

彼らが使う「楽しい」は、勝敗とは無関係です。
日常とは一線を引いた、いわば隔離された世界で、自我を忘れてゲームに没頭している状態のことです。
没頭を継続する事で勝利を獲得しています。

つまりプロセスが間違えないから結果がついてくる図式なのです。
「楽しみたい」とは、没頭の継続をするという意味です。
自分の可能性を開く事に没頭しているとも言えます。
没頭が苦痛でないのは、没頭に寄って フロー状態が体験できるからです。
フロー(英語:Flow )とは、そのときしていることに、精力的に取り組み、完全にのめりこんで集中している精神的な状態のことで、ZONE(ゾーン)、ピークエクスペリエンスとも呼ばれています。

一般に没頭のはじまりは、小さな挑戦から始まります。
そのきっかけは、日常のあらゆる場面に潜んでいます。
特に職場や学校は、きっかけの宝庫です。
きっかけをものにするには、やる気の条件に留意します。
難易度の高さ、達成感の高さ、2つのバランスの適正でやる気になるし、やらん気、やれん気にもなります。



難易度と達成感

難易度が低く、達成感が低いと、おもしろくないので興味が持てなくなります。
もれなく当たる、もらっても使いものにならない景品みたいなものです。
「やらん気」が強くなります。??逆に難易度が高くて、達成感が高い場合はどうでしょう。
1億3千万人を対象に1名しか当たらない場合、達成感は高くても、難易度が高すぎて、どうせあたらないと「やれん気」が強くなり、あきらめてしまいます。
やる気が起こるのは、難易度が適切で、難易度にふさわしい達成感が伴っている場合です。

難易度も、 達成感も主観で決まるのですが、自分を他者がどう評価するか、気になるのが普通なので、特に難易度については客観的な判断も必要です。
「そんなことなら誰でもできるよ」って言われたら挫折感を味わう事にもなるからです。
しかし、本当は気にしなくていいのです。他者と自分を比較しないを原則にして、自分の可能性を開いて行けばいいことのなのです。

2009年のWBC(ワールドベーズボール・クラシック)でも、侍ジャパンがアメリカに勝ったとき、アメリカはベストメンバーでないとか「難易度」の低さを持ち出して、その勝利の値引きをする方がいました。
このような比較をしだしたら際限がありません。気にしなくいていいのです。
大事なことは自分の可能性をどんどん開いて行く点にあり、どうすれば、より高く、
より強く可能性を開けるかどうかです。


そのヒントが小学校6年生の作文に集約されています。

「ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです。
そのためには、中学、高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。
活躍できるようになるには、練習が必要です。
ぼくは、その練習にはじしんがあります。
ぼくは3歳のときから練習を始めています。
3歳~7歳までは半年くらいやっていましたが、3年生の時から今までは365日中、360日ははげしい練習をやっています。
だから一週間中、友達と遊べる時間は、5時~6時間の間です。
そんなに、練習をやっているんだから、必ずプロ野球選手になれると思います」
                      (イチロー、小学校6年生の作文)


小学校6年生のイチローの作文から、やる気の継続とフロー体験がもたらす成果の一例を知る事ができます。

「継続は力なり」を実証する言葉ですが、逆に言うと「継続しないと力を失う」という方が正しいかも知れません。
その状態を示したのが、先に掲げた次のグラフです。
努力と成果のバランスを表したものです。
私たちは何事でも最初の一歩、最初の挑戦はなんとか成果を出せるものです。
最初は努力に比例して一定の成果が出ます。
ところが初歩の段階を越えて、その次に行こうとしたらなかなか難しいものです。
難易度が高くなるので、努力に対して目に見えた成果が表れなくなります。
そこで努力しても成果がないと感じるようになります。
本当はムダになっていないのですが、著しい変化がないのでムダに感じます。

努力と成果の感じ方のギャップ

「努力と成果の感じ方のギャップ」はこのことを表しています。
グラフの努力の線と成果の線に囲まれた範囲が 「努力と成果の感じ方のギャップ」で、努力のわりに成果がないように感じることから生じる不安の大きさです。
ほとんどの人がこの不安にやられてしまい、あきらめることを選択します。
しかしこの不安を乗り越えた人が振り返ったときに、「継続は力なり」と実感するのも事実なのです。

では、「継続は力なり」はどうすれば可能になるのでしょうか?
その答えが、能力と挑戦のバランスです。
このギャップに生じる不安を乗り越えていく方法はひとつしかありません。
難易度と達成感のバランスを適切にとっていくのです。
最初の進歩<1のマーキング>としたら、能力が高くなったときに、挑戦のレベルをあげていかないと、意欲は閉じてしまいます。それが<1aのマーキング>です。

能力と挑戦

反対に、能力が開発されないのに、挑戦レベルだけがあがっていくと、やはり意欲は閉じてしまいます。
それが1bのマーキングです。
進化するには、能力と挑戦のバランスをとって<マーキング4>に進むしかありません。
その後も、能力と挑戦のバランスをとり続けることが唯一の道です。
<マーキング4>さらに<マーキング5>と進んで行くことが可能になりますが、その時には、進むか、やめるかの選択肢が残ります。
ほとんどの場合、楽しさの体験が継続を選択するようになります。
この体験が「やりがい」の正体です。

しかし、「努力と成果の感じ方のギャップ」がそうであるように、能力の進化の発見はなかなか分かりにくいのが普通です、
だから挑戦をアップすることによって、明確なフィードバックをすることが、とても重要になのです。
挑戦をアップ幅が小さくても、日々進化していることを知ることが勇気になるのです。

これは運動の成果やダイエット効果などを観察すると明白です。
毎日運動、ダイエットしていても、その成果はなかなか顕著に表れません。プロセスでは半歩前進半歩後退どころか、何の変化も起こらない、
まさに 「努力と成果の感じ方のギャップ」にストレスを感じることになります。
しかしそれはプロセスで向かい合う必要とも言えます。
実際に身体とは実に不思議なもので、脳とは別に身体は身体で考えます。
ダイエットが進むと身体を守ろうとして身体が拒絶反応を起こすからです。
本当にやせるのか、どうか、身体自体が考えます。
この状態のとき、いくら運動しても効果は出なくなります。
それでも継続していると、身体がダイエットを進める態勢を用意し効果が現れ始めます。
この壁を越えると、数値的にも見た目にも効果がフィードバックされるので、やる気が起こります。

成果のフィードバックは勇気づけになります。
可能な限りフィードバックされる数値や情報を用意することが効果を促進します。
その上で フィードバックされる数値に変化がなくても、感情的にならず粘り強く続けることが重要なのです。

継続のゴールデンルールは、
●能力をあげながら挑戦を強めて行く。
●その結果が分かるようにフィードバックを習慣化する
●それらによって継続を支える。
このプロセスを。どう楽しめるか、フロー体験の数が決めます。

ライフスキルは、このプロセスを支える力であり、プロセスを通じて育まれる力なのです。
タマゴが先か、鶏が先かの話になりますが、結論は、とにかくやるkとから始めることです。

するとどうなるか?
結果が芳しくないから、やめてしまう。
継続するより、やめる人の数が絶対数では断然勝る。
フローを娯楽に求めます。二転んでいても手に入るかららくちんです。
しばらくすると、なにも解決していないことに気がつくけれど、やめたことが自信喪失になっているので、挑戦を選ぶ習慣がますますない。
毎日の繰り返しこそが自分を作る。

フロー体験とは。アテュード(姿勢)の究極にあること。
打ち込めば打ち込む程、フローがやってくる。
アテュード(姿勢)こそが人生を豊かにするポイント。なにを毎日の繰り返すのか。
アテュード(姿勢)こそ繰り返す対象なのです。
モチベーション、 意欲を必要としない時間を過ごせば意欲のない人間になるし、モチベーション、意欲を必要とする時間を過ごせば意欲のある人間になるのは必然なのです。

ではモチベーションの高い自分を作るにはどんな継続をすればいいのか。
どうすれば自分の可能性を開くのか。
やっぱり継続しかないのです。
継続する秘訣があります。
結果ではなくプロセスに注目することです。そういう割り切りも必要です。
プロセスが正しければ、結果は必ずついてくる。
「プロセスが正しければ、結果は必ずついてくる。」は本当なのかと議論することが大事なことではなく、求める結果を出すように、迅速に大量の経験を重ねることです。
議論が目的でなく、求める結果を出す事が 目的なのだから。
優先順位を間違えないようにしたいものです。

小学校6年生のイチローの作文は、それを教えてくれています。

あきらめるから失敗になる。できるまで、あきらめなければ失敗はない。
あきらめずにできないことはできるようになるトレーニングを重ねる。
フローはそこにあります。できるようになろうとあきらめずに取り組んでいる瞬間がやりがいなのです。
ただ没頭している自分がいるだけです。没頭していることも忘れています。
他者との比較は無関係なのです。

没頭する姿は、自分と周囲の人に勇気を与えます。
人は雨の日より晴天の日が好きなように、元気な人が好きです。
それは、人から愛されることを考えるより、自分が自分を力の限り愛していたら、愛されることを意味します。
自分を愛するとは、自分の可能性を信じて、可能性の扉をどんどん開いて行く事です。
お客様とどんな関係を作りたいのか、作業、動作の基盤に、没頭する姿勢があるのと、そうでないのでは全然違ったものになることは明白です。

混迷を極める時代だからこそ、モチベーション、やりがいを本気で考えて行動しているか、そうでないか。
それが一層問題になっていて、そのことに注目している会社や拠点ほど強いことも明白です。

たとえば「餃子の王将」と「スターバックス」・・・・この表面的には異質に見える企業に共通しているのは、値下げラッシュが相次ぐ外食にあって、同業他社が値下げに踏み切っているにもかかわらず、2008年、諸材料費高騰を理由に値上げして以来、値下げしていないこと。(2009年4月現在)
そしてなにより、売れる理由に「モチベーションの高さ」をあげていて、共に従業員の自律性を大切にして、モチベーションを継続的に追求し続けていること。
「上からあれしろ、これしろでは、やる気が起こることはない」
つまり地域(お客様)にフィットした店舗運営ができないことを恐れる姿勢、刻一刻、現場でナニが起こっているかを恐れる姿勢に注目したいものです。

アサーティブネスな福井県福井市、福井西武前

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