LOVE ME TENDER
ラブ・ミー・テンダー
アメリカのベースボール中継には”解説者”は出てこない。アナウンサーだけだ。
解説者に対して「そんなに言うならお前がやってみろ」とはねかえってくる。
人の放つ言葉とはそんなものだ。会議中に無言でいると「おまえは何のためにそこにいるんだ」と返ってくる。
話しても話さなくても自由主義、民主主義って「わがまま」は通用しないシステムなんだ。
つまりそれだけ支持されるということは、同じほど不支持もある。レコードが売れた分だけ、痛い言葉が返ってくる。
エルヴィス・プレスリーを聖人君子とは思わない。
すごい分だけすごく間違っているんだろうと思う。
得意な分だけヘボもある。それだけ凄いということは、それだけダメな人なんだろう、きっと。だからそれだけ凄い人には、それだけ注意してあげないといけない。
でも同時に「落ちこんだらいけないよ」って言ってあげないといけない。
多分バランスがとれなかっただろうな。注意してあげて、「落ちこんだらいけないよ」って言ってあげる数より、すごいね、すごいねって声に比例して、ヒステリックに攻撃するだけの声が大きかっただろうな。
自分が傷つけられた分だけ優しい心を持ち、優しい分だけ愛されて、人を癒した分だけ傷つけられた。傷つけられた分だけ自分を傷つけた。
42才で亡くなったけれど、ホントは何才分生きたんだろうかと思う。
すごいなあって思う。お金儲けて女のコにもててーーー真似したいけれど真似できないよ。キツイ人生だよ。お金儲けて女のコにもてた分だけ年喰った暮らしだったろうね。
もっともっとひきこもってしまえばよかったのにと思う。それも出来なかった。
だけど人生ってバランスとれているんだな。
きっと。亡くなって25年も経って、アルバムが売れて、商品を並べている店の写真を誰に頼まれたわけでもなく自分の意志で撮っている人がいる。
愛ピが頼んで走ってくれた人もみんなエルヴィスが大好きだから。お店の人から注意されても凹まずチャレンジしてくれたんだよ。。痛い思いした分だけ、分かってくれてる人がいる。
うれしいね、エルヴィス。
時間が過ぎて余計なものがどうでもよくなって一番大事なことだけがよく見えるようになって。
きっとみんなが受け継いで、言いたかったことをきっと誰かがしっかり代弁してくれる日に向かってる。
優しく愛して、甘く愛して
決して僕を放さないで
人生を満たしてくれた君をとても愛してる
*優しく愛して、誠実に愛して
夢はすべて叶えられた
僕のダーリン、愛しているよ
いつまでも変わらずに、優しく愛して、
いつまでも愛して僕を心の中に入れておくれ
そこが僕の居場所なのだから
そうすれば二人永遠に一緒
*くりかえし
優しく愛して、心から愛して
僕のものだと言ってくれ
これからの年月、僕は君のもの時の終わりまで
*くりかえし
『エルヴィス〜30#1ヒッツ』の<ラブ・ミー・テンダー>はハイスクール時代のエルヴィスが歌手を夢見て自宅で弾き語りしていた姿そのままのような歌。
<ラブ・ミー・テンダー>はロカビリー、ロックンロールを超えて、”エルヴィス・プレスリー”というジャンルが確立した瞬間を創造した曲。
誰でも聴いたことがある、いまでもTVコマーシャルのどこかで使っている。
カラオケにもある。誰でも歌えるが誰もエルヴィスのようには歌えない。
シンプルすぎてその人の個性や人生観など抱えているものが全部出てしまう歌。
それがなかったらナニも感じない曲。
誰でも知ってそうで本当にはよく知らない曲。
とにかく金出して買った人生最初のアルバムが『エルヴィス・ゴールデンレコード第1集』これはボクの長男です、
次男が『エルヴィス・ゴールデンレコード第2集』。三男が『エルヴィス・ゴールデンレコード第3集』、『エルヴィス・ゴールデンレコード第4集』は我が家に居候している親戚の子、『エルヴィス・ゴールデンレコード第5集』はその弟ってとこで、こいつにはまだ会ったことがない。
リリースされたばかりの『エルヴィス〜30#1ヒッツ』はなんだろう?
このピカピカぶりからして、もしかして孫?ちょっと怖い。
”長男”とは長いつきあいで一番働きものだった。
その中で<ラブ・ミー・テンダー>はおいらバタバタしないよって顔つきだ。
考えてみたら、『エルヴィス・ゴールデンレコード第1集』のバラードはよく飛ばしていた。
ステーキの横のキャベツのようで「いらない」って感じで残していた。
この曲にグラッときたのは『エルヴィス・ゴールデンレコード第1集』のものでなくて、『68年NBC-TVスペシャル』のものだった。
これはすごかった。
車の中で聴いていて、検問でもあった時には、顔見せられなかった。どう違うって、やっぱりエルヴィスのハートが違うンですよね。他の人は知らないけれど、少なくとも自分にはそう聴こえます。
『68年NBC-TVスペシャル』はライブで、ミスったりしていますが、途中から本気になっていきます。
そこからがすごい。自分の世界で歌っています。もう人のためには歌っていないです。
エルヴィスはファンを大事にしたって言うけれど、必ずしも本当とは思わない。かなりデタラメです。
でもそれがエルヴィスの魅力です。
かなりデタラメな分、批判も多い。でもデタラメな量を遥かに超える深さで本気です。
その凄さが他を圧倒している。
自己主張しなければやっていけない国、主張した分責任がついてくる国、アメリカで誰よりも遠くまで歩いた、高く登りつめた秘密はそこにあります。
Love me tender love me sweet
Never let me go
You have made my life complete
And I Iove you so
* Love me tender love me true
All my dreams fulfill
For my darlin', I Iove you
And I always will
Love me tender, Iove me long
Take me to your heart
For it's there that I belong
And we'll never part
* Repeat
Love me tender love me dear
Tell me you are mine
I'll be yours through all the years
Till the end of t'me
* Repeat