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エルビス・プレスリーのカントリー・ロック


エルヴィス・プレスリー「心の旅」


I'M SO LONESOME I COULD CRY
泣きたいほどの淋しさだ

ビーチボーイズの”スループ・オン・ジョン・B”の
透明さは悲しくなる程のもの、
音楽にできる偉大を痛感して胸の痛みは入道雲よろしく、
夏の刹那はエンドレス。


それにしてもアメリカン・スピリット溢れる彼等の名曲の様は、
エルヴィスのそれとは随分違う。

そんなことを考えていたら、
なんと目の前にエルヴィスとブライアン・ウィルソンが現われたのにはびっくり仰天!


偶然に何気なく見ていた『エリザベス女王即位50周年記念コンサート』が
佳境に入った頃だ。クリフ・リチャード、エルトン・ジョンも登場したところで、
イギリス勢がひと休み。お祝にかけつけたアメリカからの司会者?(コメディアン?)のコメントにこの身は激震!

”お祝にエルヴィスをーー、と思いましたが、
賞味期限切れのため、ビーチ・ボーイズを!”

オー、なんというできごと!
やはりアメリカだったのだ!

ありがとう、アメリカの心はエルヴィス!

ビーチ・ボーイズを迎えるように、
いまやアメリカの土の香りのするエリック・クラプトンも参加。
王室、国民に放たれたブライアンの”アメリカからありがとう!”の
コメントは波を捉えた確かさでイギリスの心を捉えたようだ。

再び、イギリス勢、ロッド・スチュアート、ポール・マッカトニーなどに継がれて、
”愛こそすべて””ヘイ・ジュード”の総出演大合唱でお祝は最高潮に達した。


もしも、もしもーーーばかりを考えてしまうコンサートだった。


もし、エルヴィスが生きていたら、
クラプトンとブルースをやったかも、

エルヴィスがイギリス男だったらきっと伯爵になっていたなとか、
ポールと一緒に<ザッツ・オールライト・ママ>をやったのかも、

いやいや、きっと<恋にしびれて>だっただろうなとか、
最後に<ヘイ・ジュード>をあの笑顔でゴキゲンに歌ったのかも、

ジ ョージ・マーティンはさぞかし大忙しだっただろうと。

 



もしも、もしもーーー
親子でも親戚でもない人がそれ以上に心に残る存在なんて、
きっとおかしいと思いながらも、
25年前の真っ白な朝の一瞬を思い出す。



”サーフ・ミュージック”というより
アメリカン・ロックンロールの立て役者ビーチ・ボーイズは、
西海岸の文化そのものを奏でて爽やかだった。

エルヴィスによって開かれた道を継承した彼等だが、
<ファン・ファン・ファン>のイントロに集約されるように、
それはチャック・ベリーのサウンドだった。

チャック・ベリーの軽さはギターひとつ旅から旅の生き方にも通じて、
ビーチ・ボーイスの軽さはサーフボードを車に積んで太陽と波を追いかけての身軽さにも通じる。


しかしエルヴィスにそんな軽さは微塵もない。
ハリウッドに出かけていって仕事しても、帰る場所は南部の土の上。
土臭さこそエルヴィスの身上であり、
あまりにもアメリカの田舎的であり、
アメリカの男が持っている”U.S.MAIL”の誇りと空想を自らのそれとし、
それゆえに傷つきもした。


それは音楽的には”カントリー”に凝縮されていて、
全仕事の基盤になっていたことは70年代に噴出に容易に発見できる。

その偉大な功績と比べて
日本でいまひとつ音楽的に評価が弱い点はその点にあるのだろうと思う。

なにしろアメリカで熱烈な支持を受けるGarth Brooks,George Starait,
あの天下の美女Shania Twainすらがまったく振り向かれない”カントリー総崩れ”の国である。



国籍を問わず、カントリー好きな人は<ただひとりの男>を聴き、
アルバム『ON STAGE 』に心動かされる。
エルヴィスのロックンロールが、
本当にすごかったのはカントリーを土壌としたところから生まれたことだろう。

何ごともないようなカントリー音楽のレコードの溝から、
突如として、”本当は何ごともないことないだろうが”と
呻いていた凄みだったのではないだろうか?偽りの平凡と
無気力への攻撃が白日の下で展開された。

カントリー・ミュージシャンの多くには、
ゲテモンくらいにしか聞こえず、
ハートのある人には何を言ってるのかが分かっていた。

黒人はそれをおれたちの歌だといった。


しかしエルヴィスは毎日見る自分のアパートの庭を
歌っただけだたのだろう。
何を歌ってもエルヴィスになってしまうのは、
何を歌っても南部の子であり、南部の男だったからだろう。



日本人には理解不可能な世界がそこにある。と思う。

それでも他のアーティストと比べてずば抜けて日本でも、
世界で愛されているのは、
それを超えた普遍的な人間の喜怒哀楽へのやさしいまなざしが、
音符に宿って胸を打つからだろう。

 

グレイスランドは今年もテネシーの8月を迎える。

 

あの独りぼっちの夜鷹の声を聴いてごらん
淋しくて飛べないといっているよ
夜汽車は低くすすり泣き
僕もあまりの淋しさに泣き出しそう

こま鳥が嘆き悲しむのを聞いたことがあるかい
木の葉が死んでゆく頃に
あれは生きる望みを失ったということなんだ
侯もほんとに淋しくて泣きたいくらい
流れ星が音もなく
紫の空を染めて落ちてゆく
あれは君が何処に居るのかと思う僕みたい
泣きたいほどに淋しくて
僕はほんとに淋しくて、泣きたいほどなのさ

 

ジェームス・バートンの卓越した技術が、
歌の真情を宇宙空間に響かせて、
エルヴィスが柔らかな感性と南部の体温で歌った
ハンク・ウィリアムスの楽曲。世界10億人が観た伝説のライブ。

ハワイの空から世界へ放たれたアメリカのどこにでもあるような日常のシーン。

結局、人の記憶に強く残るのは何気ない日常なのだろうか。

 


Hear that lonesome whippoor will
He' sounds too blue to fly
The midnight train is whining low l'm so lonesome
I could cry

Did you ever see a robin weep
When leaves began to die
That means he' s lost the will to live l'm so lonesome
I could cry The silence of a falling star
Lights up a purple sky
And as I wonder where you are l'm so lonesome
I could crv l'm so lonesome I could cry

 


 

 

エルヴィス30ナンバー1ヒッツ
ELVIS 30#1 HITS
2002年9月25日全世界同時発売

1. Heartbreak Hotel/ハートブレイク・ホテル
2. Don't Be Cruel/冷たくしないで
3. Hound Dog/ハウンド・ドッグ
4. Love Me Tender/ラヴ・ミー・テンダー
5. Too Much/トゥー・マッチ
6. All Shook Up/恋にしびれて
7. Teddy Bear/テディ・ベア
8. Jailhouse Rock/監獄ロック
9. Don't/ドント
10. Hard Headed Woman/冷たい女
11. One Night/
ワン・ナイト
12. A Fool Such As I/ア・フール・サッチ・アズ・アイ
13. A Big Hunk O' Love/恋の大穴
14. Stuck On You/本命はお前だ
15. It's Now Or Never/イッツ・ナウ・オア・ネヴァー
16. Are You Lonesome Tonight/今夜はひとりかい?
17.
Wooden Heart/さらばふるさと
18. Surrender/サレンダー
19. His Latest Flam! e/マリーは恋人
20. Can't Help Falling In Love/好きにならずにいられない
21. Good Luck Charm/グッド・ラック・チャーム
22. She's Not You/あの娘が君なら
23. Return To Sender/心のとどかぬラヴ・レター
24. Devil In Disguise/悲しき悪魔
25.
Crying In The Chapel/クライング・イン・ザ・チャペル
26. In The Ghetto/イン・ザ・ゲットー
27. Suspicious Minds/サスピシャス・マインド
28. The Wonder Of You/ワンダー・オヴ・ユー
29. Burning Love/バーニング・ラヴ
30. Way Down/ウェイ・ダウン

Bonus Song: A Little Less Conversation (Radio edit)/
ア・リトル・レス・カンヴァセーション(ラジオ・エディット)

ボーナス・エンハンストCD 収録ビデオ
1. A Little Less Conversation (Original)  ア・リトル・レス・カンヴァセーション(オリジナル)
2. A Little Less Conversation (Extended Remix) ア・リトル・レス・カンヴァセーション(JXLリミックス)
3. A Little Less Conversati! on (Music Video) ア・リトル・レス・カンヴァセーションMTVビデオ・クリップ

 

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