ひいらぎの葉とクリスマスツリー/Holly Leaves and Christmas Trees:71

エルヴィスがいた。

悲しい歌です。
沁みてください。
エルヴィス・プレスリーが哭いています。
私も哭いているクリスマスです。

しかも今年は自然災害や戦争、新型コロナウイルスでたくさんの方々がお亡くなりになりました。
私も大切な人を自然災害で失くしました。
まだスターバックスが日本の上陸する前(今年は25周年だったそうですが)アメリカで毎朝、私のためだけにスターバックスまで、一杯のコーヒーのために車を走らせていただいた方でした。
言葉になりません。

すべての方々のご冥福をお祈りいたします。

ひいらぎの葉とクリスマスツリー

遠い夜のどこかで
クリスマスの鐘が聞こえる
優しい雪が人の上に降り続く
帰路につく人
それがいつものやり方
サークルは本当に終わらない
クリスマスは行ったり来たりのようです
家は私の知らない場所
ひいらぎの葉とクリスマスツリー
その時期です

灯りが輝き、ヤドリギ
あなたがここにいないときは意味がない
私が歩くように、この孤独な通りを歩いてください
足下の雪の音
私はそれがどのように、どのように聞こえるか
ひいらぎの葉とクリスマスツリー
以前は私にとってとても意味がありました

メンフィスマフィアのひとり、レッド・ウエストと、アメリカンサウンドでのレコーディングに参加したメンフィス・ホーンズのサックスプレイヤー、グレン・スプリーンがエルヴィスのために作ったシンプルだけど孤独な孤独な寂しさが沁みるクリスマスソング。

グレイスランドでクリスマスを迎えるエルヴィスの心情を綴っている。それは母を失くした息子に共通した思いでしょう。

エルヴィスウィークの頃、ハートブレイクホテルに宿泊していた私は毎晩ひとりで、エルヴィス・プレスリー大通りを歩いていました。ちょうど真夜中のグレイスランドの前にはみんな寂しく歩いていました。気もそぞろな私は危うく車に轢かれそうになりましたがエルヴィスが助けてくれました。しかしいちばん寂しく暮らしていたのは家の主だったでしょう。グレイスランドは単なる家ではなく母そのもの。それゆえにエルヴィスはトム・パーカー大佐の悪行にも耐えたことを想像すると涙を流さずにいられないファンも多いでしょう。

<ひいらぎの葉とクリスマスツリー>を収録したアルバム『Elvis Sings The Wonderful World of Christmas』は1971年5月ナッシュビルでの録音なので、淡々と歌っていても深い悲しみが響きます。

  1. アデステ・フィデレス
  2. ファースト・ノエル
  3. 雪降る聖夜
  4. ウィンター・ワンダーランド
  5. 素晴らしいクリスマス
  6. あなたのいないクリスマス
  7. 故郷のクリスマス
  8. クリスマスに帰れたら
  9. ひいらぎの葉とクリスマス・ツリー
  10. メリー・クリスマス・ベイビー
  11. シルヴァー・ベルズ
  12. メリー・クリスマス・ベイビー (シングル・ショート・ヴァージョン) (ボーナス・トラック)
  13. シルヴァー・ベルズ (オルタネイト・テイク) (ボーナス・トラック)

エルヴィスとは何者だったのか

エルヴィスとは何者だったのか?を考える時、ロックとは何かと考えてしまいます。

ハリウッド映画で警官がギャングの家に突入するような場面で、”ロックンロール”と掛け声をかける場面を目にします。身体に気合を入れる一種のスラングとして使用されているのでしょうが、この場合、音楽は関係なく態度、あり方を表現しています。

エルヴィスは身体を解放した第一人者でした。当時はマイホームの建設がブームで、大人と子供しかいなくて、ティーンエージャーという概念がありませんでした。子供は親と同居するのが当然でしたが、やがて言葉がマーケティング用語として先行して流行り、ジェームス・ディーンはティーンエージャーという概念を体現した最初のスターでした。

それゆえ神格化されました。続いてロックンロールという言葉がDJによって使われましたが、具体的な何をさしているのか不明で実体はありませんでした。
雰囲気だけの言葉を実体あるものにしたのが、エルヴィスです。

ここで誤解があります。最初に曲名として使用したのがビル・ヘイリーですが、ここでは雰囲気だけの言葉に乗って雰囲気だけの音楽として<ロック・アラウンド・ザ・クロック>が登場しただけにすぎません。しかしエルヴィスは違いました。いうなれば、これがロックだ!と表明したのです。では、どの曲がそれなんだと言えば、定かではありません。エルヴィス本人がロックンロールだったのでしょう。肝心のエルヴィス本人はゴスペルがルーツだといい、R&Bはゴスペルから派生したものだといいます。

やがてブームとなったロックンロールは人種差別の問題から政府の監視下の元、60年代を迎える前にほぼ全滅します。ただエルヴィスはビッグネームすぎたこととジェームス・ディーンの後継者的存在だったこともあり、生き延びました。

先日、面白いものを発見しました。東映の古いサラリーマン映画で主演は若き日の高倉健、タイトルバックに流れている歌がヘンテコなので、耳に残りましたが、よくよく聞いてみると<ハートブレイクホテル>の替え歌のような曲で、映画用に作ったすべて不明の曲のようでした。明らかに日本で流行ったロカビリーとも違うものでした。日本へのエルヴィス上陸がビートルズ上陸とは全く違うものだったのが分かった気がしました。

さて、そのまだ無名のビートルズは完璧なエルヴィスのフォロワーで、黒人音楽と一線を画していました。つまりここでロックンロールは別物に変わってしまっているのです。チャック・ベリーをパクったビーチボーイズも然りです。もっともエルヴィスも60年代はサントラで本来のロックンロールから乖離していきます。60年代を境にロックンロール、ロックの定義は分裂してしまったのです。

Holly Leaves and Christmas Trees

Somewhere in,
in the distant night
I hear Christmas bells
The gentle snow keeps falling down on people
Who are homeward bound
That’s the way it’s always been
The circle really never ends
Christmas seems to come and go
Home’s a place that I don’t know
Holly leaves and Christmas trees
It’s that time of year

Lights aglow and mistletoe
Don’t mean a thing when you’re not here
As I walk, walk this lonely street
The sound of snow beneath my feet
I’ll think of how, how it used to be
Holly leaves and Christmas trees
Used to mean so much to me
(Holly leaves and Christmas trees)

セイヨウヒイラギは別名「キリストの刺」「聖なる木」と呼ばれています。

白い花はミルクのようで、キリストの生誕を祝い、樹皮は苦いのでキリストの受難を表すとされています。

セイヨウヒイラギには魔力があると信じられていて、クリスマスの期間に悪魔が来ないように魔除けとして、民家、店、教会、墓地などに飾り付けられるようになったと言われてます。

ELVIS SINGS

 The Wonderful World of Christmas

●大ヒットを記録したロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との共演作第三弾がリリース。第三弾となる本作は人気の高いエルヴィスのクリスマス・アルバムからの名唱をピックアップ。
●このリリースにあわせて、人気の高いクリスマス・アルバムとゴルペル・アルバム5タイトル一挙リリース。
●本作「『Elvis Sings The Wonderful World of Christmas』は71年5月にナッシュヴィルで録音された二枚目のクリスマス・アルバム。ミリオンセラーを記録。シングルとしてリリースされた「メリー・クリスマス・ベイビー」のショート・ヴァージョンとカセット・テープ版のみに収録された「シルヴァー・ベルズ」をボーナス・トラック収録。(Amazonより)

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