内気な打明け / Just Tell Her Jim Said Hello
ほら、あそこに彼女が座ってる
何処にいたってすぐわかる
かけ寄って抱きしめたいけど
恥ずかしくて無理だから
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
この胸の内を伝えたい
でもきっかけさえもつかめない
彼女に知ってほしいんだ
僕の本当の気持ちを、でも
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
それだけであの娘にはわかるから
悩んでることは、あの娘には黙っていて
ここだけの話にしておいて
彼女のことを思っているとか
未だに愛してるなんて言わないで
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
誰かがよろしく言ってた、とだけ伝えて
(川越由佳 氏:翻訳)
エルヴィス・プレスリーとジェーン・ラッセル
「内気な打明け / Just Tell Her Jim Said Hello」は、「あの娘が君なら」のB面に収録されたメロディーラインも美しいポップな ナンバー。
軍隊暮らしから帰還以降のエルヴィスは、映画に傾斜していくので、ハワイアン、ラテン、デキシー など多彩な音楽をエルヴィス流に表現して楽しませてくれるものの、ピュアなア メリカン・ポップスという点では物足りなくなっていきます。
「上を向いて歩こう」がナンバーワンヒットになってしまう時代。
エルヴィスも、エルヴィスならではの、繊細さと記憶に残りやすいメロディーがひとつになって、”Just Tell Her Jim Said Hello”と美しく印象的なアメリカン・ポップスの王道を歌います。
個人的には、もっともっと、いかにも”これぞ、アメリカン・ポップス!”とい う感じのものを歌ってほしかった思いがあります。
「内気な打ち明け」はB面扱いだったため、都合で「ゴールデンレコード第4集」に収録。
恋心はいまも昔も同じなんだろうけれど、こんなにきれいでポップな曲が流行る時代は、「精神」の落ち着きを感じますね。
ベトナム戦争の前でしたね。
「内気な打ち明け」が台無しになりそうなので、いやな話はやめ、やめ。
ところで、この翻訳歌詞では「ジムがよろしく」ではなく、「誰かがよろしく言ってた」となっています。そちらの方が日本的には正確な表現なんでしょうね。
ハリケーンに人名をつけているように、かかしにだってジョニーって名前をつける人たちだからですよね。
それって楽しいでしょう。その明るさとエルヴィスのナイーヴの交錯こそがこの曲の魅力。
どんな時でもポジティブになれる。毎日ささいなことに喜んでいたら楽しい。
だって今日という日は二度とないのですから。
彼女に打ち明けたいのに、きっかけさえものにできないと悩む彼。
「つらいからあきらめちゃいます。」より、「ああ、もうこんなにつらいの。いやになるよな。」って言いながらでも、大切な彼女を思いながら、どうでもいいようなことをアレコレ考えながら、とてつもなく素晴らしい1日を過ごしているわけですね。
恋のかけひき・・・面倒だけど、それもよし。
コンビニになれても、自分の心はコンビニ・モードにしたくないな。
コメント
先週のメルマガ拝見しました。オンステージのレコードでvol1を上げるなんて通ですね。私もよく聞きます。b面のジャストプリテンドと明日にかける橋は聞きものですね。オンステージでもジャストプリテンドをうたうとき彼は誠実だと声がかかります。このとうり誠実さがにじみ出ています。elvisにまいろいろなゴシップがありますが私はそんなの関係ありません。人間elvisが好きなのです。失礼を承知で投稿させていただきました。