シンガーソングライターに関心のなかったエルヴィスらしさが際立つ<ワン・ナイト>はファッツ・ドミノの名作を数多く手がけたデイヴ・バーソロミューがパール・キングと共作したニューオーリンズR&B。1957年1月に録音したものの、歌詞を変えて2月に再録。1970年代のライブでもよく歌っていた曲。
1958年6月に陸軍生活中、2週間の休暇を利用してナッシュビルRCA・Bスタジオで5曲を録音。そのうちの一曲である快調なロックンロールナンバー<アイ・ガット・スタング>をB面に、西ドイツに駐屯後の1958年10月にシングルリリース、両面ヒットでミリオンセラーを記録。
オールタイム・ロックンロール、キング・オブ・ロックンロール!
ロックンロールは生き方のアート。
<ワン・ナイト>では唯一無二のエルヴィス・プレスリーが光ります。
ワン・ナイト/ONE NIGHT
君と過ごす一夜
それが僕の望み
二人一緒でいることが
僕の夢をかなえてくれる
僕の名前を呼ぶだけで
すぐに君のもとへ行く
君の助けが必要なんだ
君への愛が強すぎて隠せない
**二人に必要なのは黄昏だけ
傷つけるようなこと一度もしたことない
君なしで生きていけない
もう一人はたくさんだ
*くり返し
**くり返し
*くり返し
(川越由佳 氏:翻訳)
「ワン・ナイト」と「ワンナイト・シン」
エルヴィス・プレスリーの<ワン・ナイト>
原曲である<ワン・ナイト・オブ・シン>は、スマイリー・ルイスがパフォーマーとして世に出したものが、1956年にR&Bチャートで第一位のヒットとなりました。
<ワン・ナイト・オブ・シン>はディブ・パーソロミュー、パール・キング作の傑作です。
ディブ・パーソロミューはファッツ・ドミノの作品を手がけたことで有名、
もちろんファッツ・ドミノも<ワン・ナイト>を録音しています。
エルヴィス・プレスリーは<ワン・ナイト>を1957年2月23日に録音。
陸軍に召集され西ドイツに駐屯後の1958年10月21日にシングル・リリースしました。
エルヴィス・プレスリーの<ワン・ナイト>は2つあります。
まずオリジナルの<One Night of Sin>をカヴァーしたものを、エルヴィスは1957年1月24日に録音しています。
ところが歌詞が過激であるという理由から、シングルとして世に出すために歌詞をOne Night of SinからOne Night with youと穏便にして再録音したのものをシングル盤として1958年10月21日にリリースしました。
後から録音されたものが、一般にエルヴィスの<ワン・ナイト>として知られているものです。
『エルヴィス~30#1ヒッツ』をはじめ一般に出回っている<ワン・ナイト>です。
<ワンナイト・シン/One Night Of Sin>は、エルヴィス他界後の、1983年にリリースされた『エルヴィス・プレスリーの歴史』で初めて最初に録音されていた<One Night of Sin>が公表されました。
『キング・オブ・ロックンロール コンプリート’50年マスターズ』には<ワン・ナイト・オブ・シン>が収録されています。
■エルヴィス~ザ・キング・オブ・ロックン・ロール
コンプリート50’Sマスターズ
また1968年の『NBC TV-スペシャル』では、メンバーからも過激に行こうと促され<ワン・ナイト・オブ・シン>が歌われています。
突き上げるロック魂に、抑えきれずに、自然とギター抱えて立ち上がっての熱唱は見もの、ききものになっています。
エルヴィス・プレスリーの正体見たぞ、聴いたぞって感じ。すごいです。
これは「タイガーマン~NBC・ライヴ 1968」に収録されています。
結構見逃している方も多いような気がするのですが、これはファンを問わずロック名盤中の名盤ですよ。
ロック名盤という特集なんかよく雑誌でもやっていますが、そういう時にも取り上げられる機会が少ないですが、恐るべきアルバムです。超オススメ!太鼓判!!
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エルヴィスがシンガーソングライターにならなかった理由
<ワンナイト>のような曲をやったときに、エルヴィスの凄みの”ひとつ”が遺憾なく発揮されます。
さらにシンガーソングライターに無関心だったことも見えてきます。
曲を作ることより、自分らしく生きる。カヴァーとはそういうことではないでしょうか。
エルヴィスのやり方にこそ、私たちの生き方に対する「慈悲の心」が伝わってきます。
慈悲の心とはなんでしょう。「人々(衆生)をあわれみ、苦を除き、楽を与えようとする心。」とあります。そういう解釈もあるでしょう。私は「励ましの心」「応援する心」だと思います。
『自分の好きなことを「いま、ここ、この瞬間」をやり抜いたらいいんだよ』と励ます心です。
つまり18歳のエルヴィスが3ドル98セントを支払って「マイ・ハッピネス」を録音したエルヴィスそのものです。好きなことをやっている子どもの心です。録音したレコードは友人にあげてしまいました。自分の声がどんなふうに聴こえるのか、知りたかったという気持ちにエルヴィスの心が伝わってきます。
「やるだけやってしまえ!」パンクのあこがれの源泉はロカビリーです。大人になることで知恵はつくでしょう。それ以上に大事なのはやり抜くワザです。
黒人の生々しい音楽を模擬するのではなく、エルヴィス流のパフォーマンスをすることで、白人らしさが際立つ点です。これがなかなかできないことです。
白人ミュージシャンがやると、黒人っぽくやりますが、エルヴィスは決してそうではありません。
エルヴィスというフィルターを通すことで、どんな曲もエルヴィスらしくなってしまいます。
エルヴィスは、まだプロになる前に、サンレコードでのインタビューで、「ボクはどんな歌でも歌えます」と語っていますが、その意味は「どんな歌でもオリジナルにできます」という意味に解釈して間違いないでしょう。
オリジナルでないと認められないアメリカにあって、このあたりが実にアメリカ的ですし、誰も予想しなかったエルヴィスの未来が無意識の内に本人によって語られています。
声のよさ、歌の巧さ、ハートのあるパフォーマンスは定評のあるところですが、それらが比類なきオリジナル性に包まれていることこそが、エルヴィスならではの真骨頂です。
それは作曲することと同じく、あるいは、それ以上のオリジナルなのです。
ライブシーンをとらえた記録映画「エルヴィス・オン・ステージ」では、エルヴィスが<ワンナイト>を、突然歌い出します。
バンドはトークと思って演奏をはじめず、エルヴィスが「忘れたの?」と演奏を促す場面が印象的です。
エルヴィスの読み違え?
バンドがすぐに反応すると思ったのでしょう。
一心同体のように息のあったバンドでも、エルヴィスの行動に、時には右往左往することもあったのでしょう。
一心同体のように動くはずのエルヴィスとバンドが露呈したミスマッチは、なにを物語っているのでしょうか?
「エルヴィス・オン・ステージ」を見ていると分かりますが、エルヴィスとバンドの関係は、エルヴィスのハートのおもむくままにプレイできることを前提としています。
予めの大雑把な予定はあるにしても、ステージに立つとハートのおもむくままに歌うからこそ、
自然体で心のこもった歌が歌える・・・子どものように。
エルヴィスはそう考えていたのでしょう。エルヴィスはお金にも無頓着でした。ヒトが望んでいたモノをどんどんプレゼントしていました。やりたいことをやっていただけの子どもです。
やりたいことをやる。その重要性を知っているからこそのエルヴィスならではの、バンドとの関係なのです。映画から離れたとき、「これからは歌いたいモノを歌う」と宣言しています。
自分が赴くままに歌う、が現実に出きるように、優れたメンバーを選び、訓練も行われている上に、エルヴィスのバンドへの配慮もきめ細かく行われているからこそ、一心同体のように動くことが可能なのです。
エルヴィスは自分の高まりのままに「ワンナイト~♪」と歌い出します。
ハートのおもむくままに・・・エルヴィスは行動したのです。
たまたま、ここではミスが起こりますが、それが絵になっていますからカッコいい。
絵になっているのは、ステージがエルヴィスの磁場であり、大切なことは、うまくやることではなく、ハートが勢いよく飛び回ることにあるからでしょう。
ハートがときめくことが、できる場所を作るのは、自分の仕事。
ハートがときめくように、できるやり方を作るのも、自分の仕事。
ひとつをおろそかにしないことが、素晴らしさへの入口。
一期一会 ・・・・一晩の恋物語を一生の恋にするのも自分のハートの動かし方次第。
ハートのある場所から歌われる<ワン・ナイト>に酔うのもすてきです。
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