<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー/I Want You,I Need You , I Love You>は<ハートブレイク・ホテル/Heatrbreak Hotel>に続いて1656年5月4日にシングルリリースされました。
エモーショナルでドラマチックなな録音は1956年4月11日。ナシュビルのRCAスタジオ。
ほとんど即興のレコーディングはライブの領域にもかかわらずHOT100で3位にランキング、カントリーチャートでは1位、R&Bチャートでも3位にランキングされました。
裏面には56年1月30日にニューヨークRCAスタジオで録音した<マイ・ベイビー・レフト・ミー/My Baby Left Me>が収録されました。
エルヴィスのシャウトが小気味の良い快作に仕上がっています。
ジョン・レノンもカヴァーしていてエルヴィスの死後に発表されています。
アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー
僕を強く抱きしめて
喜びで震え上がらせて
初めから君の気持が知りたいよ
君がほしい、必要なんだ、愛してる
この心の底から
君が近くにいると
心配事など消えてしまう
ダーリン、君は僕の全て
君がほしい、必要なんだ、愛してる
気持ちはどんどん強くなる
*恋などしなくても生きていけると思った
君が目の前に現われるまで
でもこれからは君を永遠に愛し続ける
僕のものになってくれ
ひとりぼっちにしないで
君に会えないと生きた心地がしないから
I want you.I need you,I love you
この心の底から
*くり返し
I Want You,I Need You , I Love You
Hold me close, hold me tight
Make me thrill with delight
Let me know where I stand from start
l want you, I need you, I Iove you
With all my heart
And everytime that you’re near
All my cares disappear
Darling you’re all that l’m living for
I want you. I need you, I Iove you
More And More
* I thought I could live without romance
Until you came to me
But now I know that I will go on
Loving you eternally
Won’t you please be my own Never leave me alone
‘Cause I die everytime we’re apart
l want you, I need you, I Iove you
With all heart
*Repeat
エモーショナルな即興レコーディング
ドラゴンが愛する彼女をハートをつかんで天に昇っていくようなエモーショナルな歌声だ。さらに驚くのは、1956年4月11日の前日、飛行機トラブルが起こり、到着が遅れるエルヴィスを待つあいだに、ナシュビルのRCAスタジオ・B内で、モーリス・マイセルズとアイララ・コズロフが作詞作曲した。
このため4月11日には、<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー/I Want You,I Need You , I Love You>1曲しかレコーディングできなかった。
ギター/エルヴィス、スコティ・ムーア。ベース/ビル・ブラック、ドラムス/D・J・フォンタナのレギュラーメンバーに、ギター/チェット・アトキンス、ピアノ/マービン・ヒユーズ、コーラスにゴードン・ストーカーとスピア兄弟がセッションに参加した布陣で 出来たてのロカバラードをほぼ即興のレコーディングで臨んでいる。即興というのは通常なら予め用意されたデモ・レコードに沿って演奏が行われるからだ。
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー/I Want You,I Need You , I Love You>の場合、曲が出来たてなので、その場で伴奏やコーラスをプランして創造することになる。結局、完成版は、Take14と17をつなぎ合わせて完成させたらしい。
人間は生まれたときは白紙だ。人間は自分の行動で切り開く。曲も同じです。
価値観を積み重ねて、音符を生き物に育んでいく。
「雨降って地固まる」という言葉があるように、混乱を通してまとまり魂にもなるしゴミにもなる。
ロックンロールは楽しい
ロックンロール、アメリカンポップスは、60年代に入っていくと、アメリカンポップスはまるくなっていきます。1950年後期に爆発したロカビリー〜ロックンロールは、それほど尖っていたのですが、一旦全員表舞台から消えてしまいます。
ロックンロールの多くは、特定のアーティストのパーフォーマンスの後には出し殻しか残っていないものが目立ちます。<ブルー・スエード・シューズ/Blue Suede Shoes>はカール・パーキンスの代表作ですが、ブルース、R&Bを原点にしているエルヴィスは、黒で塗りつぶしました。
エルヴィスは生涯で何回かチャック・ベリーのカヴァーに取り組みましたが、成功したのは「約束の地」だけでした。すでにチャック・ベリーが吸い取ってしまっていたのです。それでもエルヴィスは、<ジョニー・B・グッド/Johnny B. Goode >が相当、好きだったのか、自分の解釈を信じて果敢に攻めて、後々もライブで取り上げてチャック・ベリーの呪いを解いたエルヴィスらしさが濃くなっています。チャック・ベリーはエルヴィスに会いたかったと振り返っています。
出し殻しか残っていないものでも、聴いていたらワクワクして、カヴァーしたくなるのが、ロックンロールの楽しさです。
サン・レードの仲間、ジェリー・リー・ルイスが、「俺は素晴らしんだ」と言っていたのも自分の曲を自分がカヴァーしているような気になったのでしょう。
ジェリー・リー・ルイスの<ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン/Whole Lotta Shakin’ Goin’ On>では、70年代にエルヴィスは見事な突撃を見せました。
リティッシュバンド、ビートルズ、ホリーズのモデルになり、ビートルズがカヴァーした白人ロックンローラー&バンド、バディ・ホリーとクリケッツにもいえます。
エルヴィスの<ハウンドドッグ>同様、バディ・ホリーの<ペギー・スー/Peggy Sue>に、手を出すミュージシャンは少ないのも頷けます。
突き刺さるR&Bなラブソング<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>はどうでしょう。エルヴィスが全部吸いつくして、なにも残っていないのは明白です。
これこそがロックンロール・ボーカルの驚異です。
「もう、私は彼のものよ」と言われそうで、横恋慕したくても、できないのです。
優れたロカバラードには物語を語るチカラがあります。
トンがっていた50年代のロックンローラー
ヒトは物語なしにヒトを知ることも物事を理解することも難しい。
同時に物語には尾ひれがつくので、伝説が生じる。
伝説にリアリティを吹き込むのはエピソードだ。
面白いエピソードか、すごいエピソードか、ヒトと違うルールがあるか、ないか。
ヒトと同じルールでないことが重要だ。ロックンロールは窮屈が嫌いだ。
エルヴィスはたったひとりで遠く遠く、行けるところまで行った。
アメリカンポップスの時代を乗り越え、ブリティッシュバンドの嵐を忍び、ロックンロールを支持するヘルメットのワーカーが長髪の若いヒッピーを叩きのめし、ディスコブームの真っ只中には、スタジアムで、やはり乱闘騒ぎを引き起こした。ポール・マッカートニーに「遂に僕たちはエルヴィスを越えられなかった」と宣言させるに値するロックンロールは生きるあり方なのだ。ふるさとなのだ。
どれだけ生きたかが問題ではない、どこまで行ったのかが重要だ。
なぜなら彼は開拓者だったから。
エルヴィスの声は楽器だ
以前、このコーナーで、エルヴィスの声は楽器だと言ったが、同じ意味のことをビデオ『ELVIS PRESLEY』でスコティ・ムーアも語っているのを発見して嬉しい。
ここでのエルヴィスは自分が恋心に飲み込まれ溶けてしまったかのように、声が楽器になったかのように—熱い、切ない。
衝撃のRCAデビュー・シングル「ハートブレイク・ホテル」のB面「ただひとりの男」と併せてロカバラードの見本として、長く継承されるスタイルとなった。
音楽を愛し、人生を愛するみずみずしさが、どうしょうもなく空間の隅々に行き渡る。
この曲から発散される熱さ、切なさは当時に於ける過去と新時代へのラブコールだったような気がする。
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>がセカンド・シングルのA面としてリリースされたことは、バラードへの愛情とB面ながらも「ただひとりの男」の評価が高かったことをエルヴィスが自信をもって感じていたことが理由なのだろう。
エルヴィスが背中を押してくれた
読者の方からいただいた大切なメールから貴重な体験をセレクト、
エルヴィス・プレスリーに後押しされてつかんだ幸福なお話を、ご本人了解のもと披露させていただきます。
花の咲かない原野をお花畑に変えてしまうように、1曲が人生を変えてしまうことがあります。
好きな曲であることは勿論、好きでなくて印象深い、あるいは命を揺さぶる曲もあります。
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>
みなさまはこの曲にどのような思い出をお持ちでしょうか?
それではご紹介さていただきます。
長崎県出身のYさんから頂戴したメールです。
(略)
ある時、私はこのサイトで、
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>の
あることを思い出しました。
私は今年結婚します。
愛ピさんのホームページなしにはなかった結婚だと思っています。
私の父はエルヴィスが好きでした。
なぜエルヴィスが好きだったのか知りませんし、いまとなっては確かめようもありません。
かすかにエルヴィスにはハートがあると言っていた記憶があります。
母は私が10歳の時に乳ガンが全身に転移してなくなりました。
その後、父が男手ひとつで育ててくれた。
その父も4年前に眠りにつきました。
生前、私が中二の時、
母のいない寂しさから少し横道にそれた私に
父は「愛している」というメモを机の引き出しに入れてくれたことがありました。
私にこまごまと注意を与えたかったはずなのですが、
一切言わずにただメモをくれたのです。
そのときはすぐに反応できなかった私ですが、
しばらくして父に心配をかけてはいけないと考えるようになりました。
高校を出て専門学校に通いました。
その後、まだ就職もしていない私を残して
父は21歳の時に、やはりガンでなくなりました。
ごめんな。花嫁にも出してやれずに、ひとり残してすまない。
寂しい思いばかりさせてすまないと涙ぐんでいた病床の父。
体調不良を訴えて僅か2ヶ月ほど、急激にやせてしまった父は
眠りにつきました。
それから4年ほどして、私は偶然、このサイトにたどり着き、
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>を知ることに。
そのとき父がくれたメモを思い出しました。
アルバムELVIS 2ND TO NONE を購入しました。
丁度、私は片思いの好きな方がいました。
顔を見ただけで緊張して顔もまともに見ることができず、
話しかけられたら赤面するほどの、ただ思うだけの日々でした。
苦しい日が続きました。
私は母がなくなってから、我慢することばかりが多くて、
それに嫌気がさして中二の時に爆発しました。
ふてくされ、すねて、歪んだわがままを通そうとしていました。
どんなにふてくされても、
我慢するくせが身についてしまった私は、
私の思うことなんか何も叶うことはないという思いで固まっていました。
それはいまでも本質的には変わっていないように思います。
でも、一生の大事に天国の父が
エルヴィスにバトンタッチして背中を押してくれました。
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>が
まだ中学生だった私の引き出しにいれてくれた
父のメモを思い出させてくれたのです。
私のいいたいことはアイ・ラブ・ユー、
それだけの簡単な言葉なのに、なぜ言えないのだろう。
私は<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>を
繰り返し聞きながら、父のこと、自分のこと、あの人のことを考えました。
エルヴィスの声が父に変わって、
あのときのお父さんの気持ちを思い出してと言っているように聞こえました。
お前はその人が好きなのだろう。
だったら自分の飾らない気持ちを伝えればいいのだよ。
あの時、父にとって愛すべき存在でないようなことをしていた私。
私の行動にかまわずに愛しているといってくれた父の気持ちを繰り返し考えました。
彼が私を好きと言ってくれるから好きなわけではない。
ただ私は自分の気持ちを父のように、このエルヴィスのように伝えればいいのね。
と感じたのです。
私は自分から食事に誘いました。忙しいからとダメと返事が返ってきました。
気が遠くなるような思いになりましたが、
全気力をふりしぼって「じゃ、また誘います」と返しました。とても苦しい日々が過ぎました。
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>が
とてもむなしく聴こえました。
ホームページの言葉をおかりすれば、身と心を根無し草のように感じました。
ところが2週間ほど過ぎて、彼が「食事に行こう」と誘ってくれたのです。
食事に行って話しをしていると、
ブリトニーとシャキーラを足して2でわったようだと言ってくれました。(笑)
そんなバカな。カラかっているんだと思いましたが、
彼は前からそう思っていたのだよといってくれました。
ビバ!ラスべガス!状態です。(笑)
つきあいが始まり、ついに私は自分から「好きです」と告白しました。
いま私はとても幸福です。
とても大事にしてくれます。
どうでしょうか、ボクは恋に悩むすべての女性に伝えたい。
自分に自信がなく恋する人をたた見ているだけで自信がないから、
私は背が低いから、彼より背が高いからという理由であきらめてしまう人がいます。
勇気がないから口実を作って逃げ込んでいたら、
自分を好きだと言ってくれる人としかつきあえません。
それではみじめです。自分の人生は自分の手で開かなければと思います。
彼女は勇気を出したから幸福になれたのです。彼女はさらに語ります。
父のメモのおかげです。
メモはいまも私のお守りと一緒に持ち歩いています。
勇気をつないでくれたエルヴィスをいまも聴いています。
父が聴いていた曲がなんだったのか、はっきり記憶にありません。
でも聴いていると、知っている曲に出会います。
その都度、父とふたりの生活を思い出します。
きっと父はナイーブだったのでしょう。エルヴィスを聴いていたらそう思います。
父が、わたしにいってくれた「愛している」を
いつか 自分のこどもにも伝えたい
虐待なんて考えられない
側にいてくれるだけでうれしいのよって言ってあげたい。
愛ピさんが書かれたトゥルー・ロマンスのお話にも元気をいっぱいいただきました。
迷える子羊だった私に、父とエルヴィスをつないでいただきました。
勇気をいっぱい送ってくれた、このホームページに感謝しています。
一度に4人の男性から愛されたようで、こんなことってあっていいのかなと思います。
このホームページは私の秘密の場所。
つらくなったら、またゲンキをもらいにきます。結婚式には、
運命の曲<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>を
流そうと企画しています。
ありがとうございました。
このようなメールを頂戴して、ボクは胸いっぱいです。
衝動が心の内側から突き上げて
<アイ・ウォント・ユー、アイ・二一ド・ユー、アイ・ラヴ・ユー>を
大音量で聴かずにはいられませんでした。
相手が何かをしてくれるから好きなわけではない。
ただ自分の素直な気持ちを伝えればいいだけのことですが、
実際には傷つくのも怖いし、恥かくのもつらい。
傷も恥も思い過ごしなのでしょうが、
ここでおっしゃるようにあきらめることを身につけてしまった者には、
またかの思いが心をえぐるように痛めつけます。
エルヴィスの声はそんな痛みをそっと撫でてくれます。
癒しの後には
もう大丈夫だよ、君ならやれる、さあ、お行きと言ってくれるようです。
1954年テネシー州、メンフィスのサンレコードからプロデビュー。
55年にRCAに移籍後、56年<ハートブレイク・ホテル>でメジャー・デビュー。
ビルボードチャート、トップになったのは有名。
この <アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラブ・ユー>は
シングル第2弾として、1956年5月4日に発売、HOT100で3位にランキングされました。
当時21歳のエルヴィス・プレスリーはギターを弾きながら、熱情的な歌声を聴かせています。
録音は4月11日、ナッシュビルのRCAスタジオで行われました。
後にヒット曲を量産したスタジオです。
この時期、 エルヴィス自身も類をみない愛され方をするとは思わなかったでしょう。
無心に歌う エルヴィス・プレスリーの素晴らしさを堪能してください。
映画『エルヴィス』が熱すぎる。
バズ・ラーマン監督作品『エルヴィス』オリジナルサウンドトラック
主演のオースティン・バトラーの演技も歌もすごすぎる。アカデミー主演男優賞獲得必至の推しメンナンバーワン&オンリー。
《収録内容》
01. サスピシャス・マインド(ヴォーカル・イントロ) / エルヴィス・プレスリー
02. 綿菓子の国 / スティーヴ・ニックス&クリス・アイザック
03. ヴェガス / ドージャ・キャット
04. ザ・キング・アンド・アイ / エミネム&シーロー・グリーン
05. トゥペロ・シャッフル / スウェイ・リー&ディプロ
06. ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス / オースティン・バトラー
07. クロウ – フィーヴァー / エルヴィス・プレスリー
08. ストレンジ・シングス・アー・ハプニング / ヨラ
09. トラブル / オースティン・バトラー
10. 好きにならずにいられない / ケイシー・マスグレイヴス
11. フィーリン・イン・マイ・ボディ / レネーシャ・ランドルフ
12. 時には母のない子のように / ジャズミン・サリヴァン
13. エッジ・オブ・リアリティ(テーム・インパラ・リミックス)/ エルヴィス・プレスリー&テーム・インパラ
14. わが愛の力 / エルヴィス・プレスリー&ジャック・ホワイト
15. ポーク・サラダ・アニー(フィルム・ミックス) / エルヴィス・プレスリー
16. サスピシャス・マインド / エルヴィス・プレスリー
17. バーニング・ラヴ(フィルム・ミックス) / エルヴィス・プレスリー
18. フィーリン・イン・マイ・ボディ(スチュアート・プライス・リミックス) / エルヴィス・プレスリー&スチュアート・プライス
19. ドント・フライ・アウェイ(プナウ・リミックス)/ エルヴィス・プレスリー&プナウ
20. 明日への願い / マネスキン
21. サスピシャス・マインド / パラヴィ
22. イン・ザ・ゲットー(ワールズ・ターン・リミックス) / エルヴィス・プレスリー&ナルド・ウィック
ワーナー・ブラザース配給 映画『エルヴィス』(原題 “ELVIS”)のオリジナル・サウンドトラック。映画は2022年7月1日(金)全国劇場公開。エルヴィス役は新星オースティン・バトラー、トム・パーカー役はアカデミー俳優トム・ハンクス、そして監督は 『ムーラン・ルージュ』、や『華麗なるギャツビー』ので知られるバズ・ラーマン。
エルヴィスから生まれたロックが、世界を一変させる。2022年、音楽映画の大本命! 誰もが知る名曲を、そして熱狂を体感するミュージック・エンタテイメント。
世界史上最も売れたソロ・アーティスト、エルヴィス・プレスリー。彼がいなければ、ビートルズも、クイーンも存在しなかった。エルヴィスの<誰も知らなかった>真実の物語を、『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が映画化。
まとめ
1956年4月14日、ナッシュヴィルRCAスタジオ。
エルヴィスのスタジオ入りを待ちながらモーリス・マイセルズ、アイアラ・コズロフのコンビがスタジオ内で書き上げた作品。
スコティ・ムーア(g)、ビル・ブラック(b)、D・J・フォンタナ(d)にチェット・アトキンスがアコースティックギターを担当。さらにピアノをマーヴィン・ヒューズ、コーラスにゴードン・ストーカーとベン&ブラックのスピア兄弟が加わった陣容でレコーディングされたエモーショナルなロカ・バラードは、出来上がったばかりの作品を何の前触れもなく、即興に近い形で繰り返し録音された。
熱いのも当たり前、ラブ・ソングの向こうに「プロな男たちの時間」を感じる名曲なのですから。
エルヴィスの熱いリードに触発されながら非凡な才能が注がれた結果の傑作は、TOP 100で3位、カントリーチャートで1位、R&Bチャートでも3位をゲットした。
人の世には、交わせども届かない想い、触れども伝わりきらぬ体温がある。
身と心を根無し草のように感じるもどかしさの恍惚と痛みをエルヴィスほどに表現できる者はいない。それは努力でも天才でもなく、ただ魂の歌。
声に、声と声の間の一瞬の静寂に、楽器と楽器の隙間に、エルヴィスの想いが駆けているだけだ。それは聴く者が言葉にできない想い、時に感知することさえ困難な想いであったりするのだが、エルヴィスの歌声はそこに柔らかく侵入し、いずれ掴むようにまさぐる。
大抵の場合、聴く者はただ震えるしかないのだが。——聴く者は時に震えながらも「自分」がそこにいることを意識し、意識は自分を愛するほうへ向かう。
——–身と心におさまらなかった自分の分身たちに向けられたエルヴィス・プレスリーの愛。それが歌になる。I WANT YOU, I NEED YOU, I LOVE YOU 。
切ないね、痛いね、だけど熱いよね。
The RCA Albums Collection CD, ボックスセット
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