60年代

エルヴィスがいた。

わが愛のちから/Power of My Love:1969

映画『ELVIS/エルヴィス』は古くて新しい未解決のテーマを私たちに突きつけて、あとは自分で始末しろと迫ります。非言語コミュニケーションにコミュニケーションの真実があることを体感で知っているエルヴィス。生きる糧である音楽を体感するエルヴィス。本当の自分を体感したくて、解放を求める平均的な女の子の欲望。
エルヴィスがいた。

スイムで行こう/Do The Clam:1965

『フロリダ万才』は、1965年に公開されたM-G-M映画。大ヒットした『ラスベガス万才』の後を受けてボリス・セイガル監督、エルヴィス・プレスリー主演、シェリー・フエブレーが共演した当時流行していたビーチ映画の一種。ベトナム戦争が激しさを増す前夜の快のサウンドトラックからシングルカットされたヒット曲、
エルヴィスがいた。

サスピシャス・マインド/Suspicious Mindns:1969

エルヴィス・プレスリー最後のナンバーワン・ヒットとして知られる<サスピシャス・マインド/Suspicious Mindns>は、エルヴィスが録音した<ムーディ・ブルー><ロックンロール魂>の作者と知られるマーク・ジェームスの作品。1968年に自身が歌ってリリースしたが、さっぱり売れなかったのを、エルヴィスがアルバム用に録音、シングルカットしたところ、即座にミリオンセラーの大ヒットになった。
エルヴィスがいた。

アメリカ魂/U.S.Male:1968

エルヴィスはアメリカ自体より巨大なのだ。どうしてそんなものが存在するのか、誰にもわからない。エルヴィスがどんなものより優れているとき、エルヴィスの愛はアメリカを包み込む。エルヴィスがどんなものより安っぽい芸能でしかないとき、エルヴィスへの愛は民主主義の大衆文化に包まれる。
エルヴィスがいた。

明日への願い / If I Can Dream:1968

映画『エルヴィス(ELVIS)』には、<ザッツ・オールライト><トラブル><明日への願い>など物語の分岐点になる重要な曲があります。 68年カムバックスペシャルがパーカー大佐の筋書きを物ともせずに<明日への願い / If I Can Dre...
エルヴィスがいた。

夏に開いた恋なのに/Summer Kisses, Winter Tears:1960

エルヴィス・プレスリ-の<夏に開いた恋なのに>は、1960年10月に録音。シングル・リリースはなくEP盤で61年4月にリリース。1965年7月にアルバム『Elvis For Everyone』に収録。力のある曲はヴィム・ヴェンダース監督作品『夢の涯てまでも /Bis ans Ende der Welt (1991年)』で重要な場面に使用されます。
エルヴィスがいた。

Baby What You Want Me To Do:1968

<べイビー・ホワット・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ドゥ/Baby What You Want Me To Do>はエルヴィス・プレスリーのカムバックスペシャルでもひときわ目立つ、ロックンローラー、エルヴィスを印象付けるナンバーでさすが「キング・オブ・ロックンロール」として鮮やかな印象を残します。
エルヴィスがいた。

アイ・フィール・ソー・バッド/I Feel So Bad:1961

私たちはライフステージを年齢の変遷だと考えます。<生きること=人生>だと思いますが、生きることと人生は別物です。成熟とは、あるがままの自分だから可能です。成熟は年齢という記号ではありません。老化も同じで身体の衰えという意味です。エルヴィスは、ロックは生きる姿勢だとNBC=TV SPECIALで証明します。
エルヴィスがいた。

心の届かぬラヴ・レター / Return to sender:62

11作目になるエルヴィス・プレスリー主演映画『ガール!ガール!ガール!(Girls!Girls!Girls!)』でのチビまる子のようなガールズまで参加したフィナーレの大腰ふり大会?が馬鹿げているって? 「OK牧場の決闘」など決闘三部作、「ヨ...
特選ソングス

好きにならずにいられない / Can’t Help Falling in Love:1961

ロマンティックなラブソングだった「好きにならずにいられない」がライブのクロージングに使われた相乗効果で奥行きと広がりを与えた。スクリーンに閉じこもっていたエルヴィス・プレスリーにライブ・パフォーマンスがいのちを吹き込んだようだ。 スクリーン...
特選ソングス

あなたにそっくり/They Remind Me Too Much Of You:1963

シアトルで開催された万博を舞台にした映画『ヤング・ヤング・パレード』が公開されたこの年、1963年11月22日、ケネディ大統領暗殺。マリリン・モンローの死から1年を過ぎての事件だった。エルヴィスも急速に元気に元気がなくなる。エルヴィスはすでにカンターカルチャーからアメリカに欠かせないメインカルチャーそのものだった。大瀧詠一さんのお気に入り<ハッピー・エンディング>は暗転した。
エルヴィスがいた。

プレスリーの内気な打明け / Just Tell Her Jim Said Hello:1962

ジャンルに縛られないエルヴィスの無頓着さが、ブッダ的ですごくいいのだ。キング・オブ・ロックンロールに執着しないあり方に感動する。エルヴィスはラブ&ピースなんて言わない。立っているだけでラブ&ピースが聴こえてくる。わざわざ歌詞にする必要はない。言葉は所詮言葉でしかなく、言葉が束縛し、限界をもたらす。歌は限界をこえるものであらねばならない。エルヴィスの声は楽器だ。楽器は歌詞を超える。