映画『Ticle Me(邦題:いかずぜ!この恋)』は、『フロリダ万才』に続いて監督:ノーマンタグロウとのコンビで1965年に製作されたエルヴィス18本目の作品。エルヴィス映画として珍しく唯一コロムビア映画から配給された。
予算の都合で映画用サウンドトラックが新たに製作されず、既存曲がアルバムから抜粋されるというエルヴィス映画初の試み?が行われました。
『 Pot Luck with Elvis』と『Elvis Is Back!』からカットされたオーティス・ブラックウェルとウィンフィールド・スコットによる<(Such an) Easy Question>と、フレッド・ワイズとベン・ワイズマンによる< It Feels So Right >とのカップリングでシングルリリース。さらに
<キッスン・カズン>のドク・ポーマスと<ラスベガス万才>のモート・シューマンによる<(It’s a) Long Lonely Highway>と<ノーモア>など数々のラブバラードをエルヴィスに提供、ミュージシャンとして演奏にも付き合ったカントリーのドン・ロバートソンとハル・ブレアがアルバム『Pot Luck』に提供した<I’m Youres>を抜粋。カップリングでシングルリリースされました。
はてなきハイウェイ/(It’s a) Long Lonely Highway
インポート盤DVD 映画「いかすぜ!この恋」(本作品は国内盤が発売されていません)
<(It’s a) Long Lonely Highway>は、1963 年 5 月 27 日、ナッシュビルの RCA のスタジオ B でアルバム用に録音。結果的にアルバムの企画はなくなったため、1964年にアルバム『キッスン・カズン』のボーナスソングとしてリリースされました。
倒産の危機から救ったエルヴィス映画
映画『Ticle Me(邦題:いかずぜ!この恋)』は、予算の都合でサウンドトラックが製作できなかったので、既存曲からピックアップされた曲が映画に使用され、4曲が2枚のシングルになってリリースされました。尚、日本では映画公開当時、ファンが選んだ曲を集めた映画として紹介されました。アメリカでもそういう紹介だったのか、定かではありませんが、この映画のヒットによって製作会社アライド・アーティスツ・ピクチャーズ・コーポレーション(Allied Artists Pictures Corporation)は倒産の危機をクリア。
A・ヘップバーンの『昼下がりの情事』や『パピヨン』などの名作を遺したが1979年にエルヴィスの後を追いかけるように倒産。現在、作品はワーナーの管理下にあるといいます。
アメリカではDVDになった『Ticle Me』もワーナーからリリースされています。
それにしても、エルヴィスの力で倒産から救ったのはめでたし、めでたしです。
この時代、テレビの勢いに押され、日本も新東宝、大映、日活が相次いで倒産、映画会社は厳しい局面にありました。
長くて孤独な道のりをエルヴィスは行く
長くて孤独な道のりさ
たった一人で旅していると
とっても辛い世の中さ
恋人がいないということは
たくさんの町を通り過ぎていく
名前のないほど小さな町を週ぎていく
*でも、このまま進んで行かなくちゃ
あてもなくあの道を
止まらずに、そのままで
愛する人さえいないけど
道に沿って、ひたすら進むのさ
長くて孤独な道のりさ
あの娘が一緒にいなければ
この道は涙でできた道
今でも流れ続けてる
心がズシリと重いんだ
全く情けない話だよ
*くり返し
枕の代わりには岩を
シダレヤナギの木の下で
寝床は冷たい草の上
飲み水は泥だらけ
だからってオレのこと
死んだほうがマシ、なんて言わないで
長くて孤独な道のりさ
道はどんどん長くなる
あの娘が探しに来なければ
頭がおかしくなりそうだ
もし、俺が新間にのったなら
あの娘のせいだと伝えてくれ
*くり返し
翻訳:川越由佳氏
涙のしずくのような声がどこまでも転がっていく
涙のしずくのように憂いと潤いのある声。
エルヴィス・プレスリーならでは哀愁を帯びた声が、
「はてなきハイウェイ」では、平静を保つように、淡々と転がっていく。
声とは対照的に突き抜けた明るさと乾いた空気を感じるパフォーマンスが、他人事のように客観的に見つめているようで印象的。
どこへ行こうが頭から離れない愛しい人の面影、仕草、言葉。
それらとどれだけ格闘しても、自分をねじ伏せる強い力。
起きて敗北、寝て敗北。枕は岩、口にする水は泥水となって襲いかかる。
深ければ深いほど、一途であればあるほど痛み。ただ敗北感だけが道連れ。
男は死んでしまうのか?
大丈夫、
♪ keep on going ♪
このまま進んで行かなくちゃ ♪
しかし、何のために?
ひとりの女と別れることは、別のひとりの女、もしかしたら、もっといい女に出会う可能性でもある。
物事の選択は、自分の選択でしかない。
♪ Tell her she’s the one to blame ♪ あの娘のせいだと伝えてくれ ♪
そうは言っても、あの娘の選択ではない。生きようが死のうが、全部自分で引き受けて生きるだけだ。自分の選択だ。
♪ keep on going ♪ このまま進んで行かなくちゃ ♪
男は自分にムチを入れる。
♪ keep on going ♪
「はてなきハイウェイ」は男の詩だ。乾いている。
理屈が通じない女の世界。感情に弾き飛ばされた男は、全く情けない話だと自嘲しながら、キズつくことを選択した。
愛した女を守ってやりたいと思った男は万能の神の力を羨望する。
愛してしまった男の心はお守りの気持ちと同じ。
神の力にかけて、どれほど古びてもご利益がなくなったとは言えない。
失恋ごときで砕けていられない。ロックンロールだ!「はてなきハイウェイ」
踏まれるほどに守り抜きたい心もあった。
男はブルー・スエード・シューズをはいて旅に出た。
男は自分にムチを入れる。
♪ keep on going ♪
このまま進んで行かなくちゃ ♪
それが何になるのかと聞いてはいけない。
自分の良心にかけて、自分の良心を涙で磨くとき、男は自分になる。
keep on going
自由万歳!C級生活万歳!エルヴィスは最高だ!
「はてなきハイウェイ」男になる旅は終わらない。
エルヴィス・プレスリー主演映画「Tickle Me」
It’s a long lonely highway
When you’re travellin’ all alone
And it’s a mean old world
When you’ve got no one to call your own
And you pass through towns
Too small to even have a name
* But you gotta’ keep on going
On that road to nowhere
Gotta’ keep on going
Though there’s no one to care
Just keep an moving down the line
It’s a long lonely highway
Without her by my side
And it’s a trail full of teardrops
That keep on being cried
My heart’s so heavy
It’s a low down dirty shame
* Repeat
l got a rock for my pillow
Beneath a weeping willow
And the cool grass for my bed
My drinking water’s rnuddy
So don’t you tell rne,buddy
That I wouldn’t be better off dead
It’s a long lonely highway
Gettin’ longer on this mind
And if she don’t corne and get me
Well, I gonna’ Iose my mind
So if you read about me
Tell her she’s the one to blame
* Repeat
エルヴィスとは何者だったのか
「はてなきハイウェイ」は、映画「Tickle Me」(邦題「いかすぜ!この恋」)の挿入歌として使用され、合計9曲が挿入された。
<いかずぜ!この恋>と共に4曲が2枚のシングル・リリース。
残りは「がっちり行こうぜ」「ナイト・ライダー」などを5曲を収録したEP盤でリリースされた。
この映画のアルバムはなし。
1965年のエルヴィス・プレスリー主演映画「Tickle Me」(邦題「いかすぜ!この恋」)は、監督ノーマン・タウログ。
共演はジュリー・アダムス。
「ダッジ・シティ」などB級映画に出演していたキュートな女優。
時代は現代だが、ウェスタン・スタイルのロデオ男が印象的な恋とゴースト騒動のコメディ。
尚、、最近では「はてなきハイウェイ」のことを、「はてしなきハイウェイ」と表記しているものが多い。
▼映画公開当時はアルバムはリリースされなかったが、
現在は下記のCD2枚組でアウトテイクも含めて全曲聴くことが可能になった。
[Original recording remastered] [Soundtrack]
[from UK] [Import]
1. I Feel That Ive Known You Forever (March 19, 1962)
2. Slowly But Surely (May 27,1963)
3. Night Rider (October 15, 1961)
4. Put The Blame On Me (March 12, 1961)
5. Dirty, Dirty Feeling (April 3, 1960)
6. It Feels So Right (March 20, 1960)
7. (Such An) Easy Question (March 18, 1962)
8. Its A) Long Lonely Highway (Single Master) (May 27, 1963)
9. Im Yours (Undubbed single master) (June 25, 1961)
10. Something Blue (March 18, 1962)
11. Make Me Know It (March 20, 1960)
12. Just For Old Time Sake (March 18, 1962)
13. Gonna Get Back Home Somehow (March 18, 1962)
14. Theres Always Me (March 12, 1961)
15. Allied Artists Radio Trailer (Version 1)
16. Slowly But Surely (Take 1) (May 27,1963)
17. It Feels So Right (Take 2) (March 20, 1960)
18. Im Yours (LP Master) (June 25, 1961)
19. (Its A) Long Lonely Highway (LP Master) (May 27, 1963)
20. I Feel That Ive Known You Forever (Take 3) (March 19, 1962)
21. Night Rider (Take 5) (March 18, 1962)
22. Dirty, Dirty Feeling (Take 1) (April 3, 1960)
23. Put The Blame On Me (Take 1 & 2) (March 12, 1961)
24. (Such An) Easy Question (March 18, 1962)
25. Allied Artists Radio Trailer (Version 2)
♪ keep on going ♪
このまま進んで行かなくちゃ ♪
キングのロックン・ロール
1. ザッツ・オール・ライト
2. ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス
3. ハートブレイク・ホテル
4. シェイク・ラトル・アンド・ロール
5. ハウンド・ドッグ
6. 冷たくしないで
7. 恋にしびれて
8. 監獄ロック
9. アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト
10. 思い出の指環
11. ブルー・スエード・シューズ
12. メス・オブ・ブルース
13. アイム・カミング・ホーム
14. マリーは恋人
15. はてしなきハイウェイ
16. ラスベガス万才
17. ユー・アー・ザ・ボス(ウィズ・アン・マーグレット)
18. 恋のあわてん坊
19. ジョニー・B・グッド(ライヴ)
20. ギター・マン
21. ザ・フール
22. 色あせし恋
23. ガット・マイ・モジョ・ワーキング
24. バーニング・ラヴ(ライヴ)
25. プラウド・メアリー(ライヴ)
26. 約束の地
27. 恋のトラブル
28. フォー・ザ・ハート
29. ウェイ・ダウン
30. ロックン・ロール魂
エルヴィス・プレスリーの音楽 エルヴィス・プレスリーのDVDエルヴィス・プレスリーの本
MEGAエルヴィス
~エルヴィス・プレスリー・エッセンシャル・コレクション
1.ザッツ・オール・ライト
2.ハートブレイク・ホテル
3.アイ・ウォント・ユー,アイ・ニード・ユー,アイ・ラヴ・ユー
4.ハウンド・ドッグ
5.冷たくしないで
6.ラヴ・ミー・テンダー
7.テディ・ベア
8.監獄ロック
9.イッツ・ナウ・オア・ネヴァー
10.今夜はひとりかい?
11.G.I.ブルース
12.ブルー・ハワイ
13.グッド・ラック・チャーム
14.明日への願い
15.イン・ザ・ゲットー
16.サスピシャス・マインド
17.去りし君へのバラード
18.明日に架ける橋
19.この胸のときめきを
20.バーニング・ラヴ
21.オールウェイズ・オン・マイ・マインド
22.アメリカの祈り
23.アイル・リメンバー・ユー
24.偉大なるかな神
25.ムーディ・ブルー
26.マイ・ウェイ
27.好きにならずにいられない
▼メルマガ「死ぬまでに聴きたいエルヴィス・プレスリー100曲」発行済み作品
■愛はやさしく
■アイル・ビー・バック/i’ll Be Back
■愛なき女/Woman Without Love
■アイ・ガット・ラッキー/ I Got Lucky
■アイ・ガット・ア・ウーマン / I Got A Woman
■アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラブ・ユー / I want you, I need you, I love you
■アイ・ベグ・オブ・ユー/I Beg Of You
■愛しているのに
■愛さずにはいられない / I Can’t Stop Loving You
■ア・フール・サッチ・アズ・アイ/ (Now And Then There’s) A Fool Such As I
■アメリカの祈り /An American Trilogy
■アカプルコの海/ FUN IN ACAPULCO
■明日への願い / If I Can Dream
■明日に架ける橋/Bridge Over Troubled Water
■アダムと悪魔/Adam and Evil
■アンチェインド・メロディ/Unchained Melody
■アメイジング・グレイス/Amazing Grace
■イエスのみ許へ/Reach out to Jesus
■偉大なるかな神 / HOW GREAT THOU ART
■イン・ザ・ゲットー / In The Getto
■イージー・クエスチョン /(SUCH AN) EASY QUESTION
■イン・マイ・ウェイ / In My Way
■イズ・イット・ソー・ストレンジ
■内気な打ち明け / Just Tell Her Jim Said Hello
■ウォーク・ア・マイル・イン・マイ・シューズ
■エンジェル(僕の天使)/ ANGEL
■想い出のバラ/Mama Liked The Roses
■お日様なんかでなくてもかまわない/I don’t care if sun don’t shine
■ガールハッピー(フロリダ万才)/GIRL HAPPY
■ザ・ガール・アイ・ネパー・ラブド
■神の手に導かれ/He TouchHed Me
■悲しき悪魔 / (You’re The) Devil In Disguise
■考えなおして/リコンシーダー・ベイビー/Reconsider Baby
■監獄ロック/Jailhouse Rock
■グッドラック・チャーム/ Good Luck Charm
■クリーン・アップ・ユア・オウン・パックヤード/CLEAN UP YOUR OWN BACKYARD
■恋の大穴/A Big Hunk O’Love
■恋のトラブル/T-R-O-B-L-E
■恋にしびれて / All Shook Up
■この愛をいつまでも/ゼアズ・オールウェイズ・ミー/THERE’S ALWAYS ME
■恋の讃歌/Today, Tomorrow And Forever
■心のとどかぬラヴ・レタ- / Return To Sender
■恋のルーレット/THE LOVE MACHINE
■サッチ・ア・ナイト/Such A Night
■サンタが町に来る/ Santa Claus Is Back In Town
■ザッツ・オール・ライト / That’s All Right
■シェイク・ラトル・アンド・ロール/SHAKE, RATTLE AND ROLL
■G.I.ブルース
■ジャスト・プリテンド / Just Pretend
■好きにならずにいられない / Can’t Help Falling in Love
■好きだよベイビー(カモン・エブリバディ/ C’mon Everybody
■その気でいこう/LET YOURSELF GO
■冷たくしないで/ Don’t Be Cruel
■テデイ・ベア/(LET ME BE YOUR) TEDDY BEAR
■テル・ミー・ホワイ
■天の主を信じて/I BELIEVE IN THE MAN IN THF SKY
■トゥ・マッチ/Too Much
■泣きたいほどの淋しさ/I’m So Lonesome I Could Cry
■夏に開いた恋なのに/SUMMER KISSES, WlNTER TEARS
■悩まされて/Paralyzed
■何でもないのに / She Thinks I Still Care
■ハウンド・ドッグ
■激しい恋には深い痛手/Big Love Big Heartache
■はてなきハイウェイ/(It’s a)Long Lonely highway
■バラに降る雪
■ハートブレイク・ホテル / Heartbreak Hotel
■ブルー・ムーン/ Blue Moon
■ブルー・スエード・シューズ / Blue Suede Shoes
■ブルー・クリスマス/blue Christmas
■ホワッド・アイ・セイ/What’d I say
■ボサ・ノヴァ・ベイビー/Bossa Nova Baby
■マイ・ボーイ / My Boy
■マイ・ウェイ/My Way
■マネー・ハニー/Money Honey
■ミステリー・トレイン / Mystery Train
■ミルクカウ・ブルース・ブギー / Milkcow Blues Boogie
■胸に来ちゃった/It’s Hurts Me
■ムーディ・ブルー/Moody Blue
■メス・オブ・ブルース/Ness of Blues
■破れたハートを売り物に/ONE BROKEN HEART FOR SALE
■広い世界のチャンピオン/ King Of The Whole Wide World
■別離の歌 (わかれのうた) / Separate Ways
■僕はあやつり人形/PUPPET ON A STRING
■約束の地/PROMISED LAND
■ユー・ゲイプ・ミー・ア・マウンテン/ You Gave Me A Mountain
■夢の渚/Follow That Dream
■ラスベガス万才/Viva LasVegas
■ラブ・ミー・テンダー / Love Me Tender
■ラヴ・レター / Love Letters
■レット・イット・ビー・ミー
■ロカ・フラ・ベイビー /ROCK-A-HULA-BABY
■ロックン・ロール魂 / Raised On Rock
■ロング・ブラック・リムジン/Long Black Limousine
■私は誰?
■ワン・ナイト / One Night
■ワン・サイデッド・ラヴ・アフェア/ONE SIDED LOVE AFFAIR
■ワンダー・オブ・ユー / Wonder Of You
◎クリスマス特別号
■アイ・ビリーヴ /I Believe
■クリスマスに帰れたら /If I Get Home On Christmas Day
■クリスマスは我が家で /I’ll Be Home For Christmas
コメント