ポットラック
アルバムタイトル「ポットラック・ウィズ・エルヴィス」の「ポットラック」とは、みんなが食べ物やドリンクを持ち寄ってするホームパーティのこと。
つまりこのアルバムの特徴はポットラック風に全曲、作詞・作曲がそれぞれのライターが持ち寄って完成した点。24人の作家がそれぞれ楽曲を持ち寄ってエルヴィス・プレスリーのお家でポットラックスタイルのホームパーティをしているというわけです。
グッドラック
日本ではあまり行なわれる機会は少ないポットラックスタイルのパーティ。
食にこだわらないアメリカ人気質、さらに住宅事情があげられる。
しかし住宅 事情は必ずしも適切でない。
日本で暮らす欧米の人は、2DKのマンションでも3,40人程度のホームパーティを日常的にやってしまってる。
自分で作ったシンプルな料理やファストフードを持ち寄って、片付けも、誰かれなしに自然に助け合って、誰かに特別な負担がかかるということもない。
あるときは車椅子の方も、車椅子ごと参加する、それを2DKの部屋でもやってしまえる。(やってしまう)それは心の問題。
ポットラックでグッドラック。また会う日までお元気で。
おもたせでポットラックはソーシャルディスタンス
実はポットラックは京都人の定番でもあるのです。
京都人には「おもたせ」という習慣があります。
友達の家にお菓子や鯖寿司などを持ち寄って会話を楽しむ習慣。
持ち寄った食べ物を会話のきっかけにして弾ませていく。
人間関係の距離をうまく保つ役割をしています。
京都人のおもたせでポットラックな習慣、ソーシャルディスタンスの美しく寄り添うかたちのひとつは「随所に主となれ」から生まれます。
1960年代エルヴィスの声のようです。
定番と反復。どこにいても同じ味。
エルヴィスとポットラック
『ポットラック』ではロックンローラー、エルヴィス・プレスリーの面影はないくらいに軽いポップスだけど、キングの声と技術から発信される情感はやはりエルヴィス!!
きっちりミリオンセラーにしている『ポットラック』に続く楽曲『恋のKOパンチ』『ヤング・ヤング・パレード』『アカプルコの海』などの原点はここに全部揃ってる感じがします。では曲目をご紹介。
赤字はオリジナルの曲目、( )内は日本盤初回のタイトル
黒字はアップデート盤で追加された曲、
●は映画「いかすぜ!この恋」に使用された曲
1.Kiss Me Quick/キス・ミー・クイック(早くキスして)
2. Just For Old Time’s Sake /昔を思って
3. Gonna Get Back Home Somehow /今すぐ家に帰りたい
4. I Met Her Today /新しい恋人を見つけた
5. Easy Question, (Such An) /イージー・クエスチョン(こんなにやさしい問いなのに)●
6. She’s Not You /あの娘が君なら
7. I’m Yours /僕は君のもの●
8. You’ll Be Gone /ユール・ビー・ゴーン
9. Something Blue /なんとなくユーウツだ
10. Suspicion /サスピション(うたがい)
11. I Feel That I’ve Known You Forever /いつまでも忘れまい●
12. Night Rider /ナイト・ライダー●
13. For The Millionth And The Last Time /最後のキッス
14. Just Tell Her Jim Said Hello /内気な打ち明け
15. Fountain Of Love/愛の泉
16. That’s Someone You Never Forget /忘れ得ぬ人
17. Steppin’ Out Of Line/ステッピン・アウト・オブ・ライン
このアルバムからのヒットは2年後の64年4月にシングルカットされた「キス・ミー・クイック」「サスピション(うたがい)」などだが、リリース当初はシングルカットはされていない。
エルヴィスそっくりに歌うテリー・スタッフォードが「サスピション(うたがい)」をカヴァー。ヒットチャートに盗塁もどきの技でトップ3に送り込んでいる。
勿論日本でも大ヒット。ビートルズが占領するヒットチャートを堂々と占領。あわててエルヴィス盤「キス・ミー・クイック」の裏面でリリース。
「早くキスして」なんて言うより先に「早く売ったら」よかったのに。
イージークエスチョン / Easy Question
アルバム発表から3年後、ファンのリクエストで映画『いかすぜ!この恋/Tickle Me』の挿入歌として使用されたものも多い。
リクエストというのは映画制作時に「エルヴィスが映画で歌っていない曲で好きな曲を選んで」と応募を呼びかけたもの。
「イージー・クエスチョン」などが選ばれている。
映画「いかすぜ!この恋(Tickel Me)」で恋のさやあての場面で使用された美しいR&Bタッチの楽曲「イージー・クエスチョン」は、オーティス・ブラックウェルとラインフィールド・スコットの共作。トップ20にランクインした。イージーリスニングチャートではNO,1にチャートインした。
- アルバム『ポットラック』リリース1カ月後の62年7月に「あの娘が君なら/内気な打明け」をシングル・リリース。
- 続いて9月に『恋のK・Oパンチ』(サントラ盤EP)
- 10月に「心の届かぬラヴ・レター」
- 11月『ガール!ガール!ガール!』(サントラ盤LP)
- 63年2月「破れたハートを売り物に」
- 4月『ヤング・ヤング・パレード』(サントラ盤LP)
- 6月「悲しき悪魔」
- 9月にゴールデンレコード第3集をはさんで、
- 10月「ボサノヴァ・ベビー」
- 12月『アカプルコの海』(サントラ盤LP)と精力的な仕事ぶりだ。
まとめ
除隊後、カムバックアルバム『ELVIS IS BACK!』から始まった反転攻勢。歌・映画ともに爆発的なヒットを連発、好調に推移したこの時期のエルヴィスは全体にコミカルで軽いポップ・チューンが特長。
60年代エルヴィスを凝縮したボックスセット
From Nashville To Memphis: The Essential 60’s Masters インポート
60年代エルヴィスは50年代のワイルドなロックンローラーの魅力は抑えられています。どこの家庭にも1枚は必ずあるポップスの王者としてファン層を拡大を計った時期。声はもちろんずば抜けたハートフルな歌唱力に圧倒されること太鼓判です。
この5枚組のボックスセットには映画用楽曲は含まれていません。
貴重な写真満載の48Pオール・カラー・ブックレットや、ジャケット写真をあしらったスタンプ・シートも付いています。
エルヴィス初心者にも、コレクターにも一生モノの貴重なのボックス・セット。
ディスク:1
ディスク:2
ディスク:3
ディスク:4
ディスク:5
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