<マリーは恋人/ (Marie’s The Name) His Latest Flam>は、<メス・オブ・ブルース><サレンダー><ラスベガス万才><ひとりぼっちのバラード><リトル・シスター><サスピション><キス・ミー・クイック>などのドグ・ポーマス(Doc Pomus)&モート・シューマン(Mort Shuman)がエルヴィスのために書き下ろした軽快でノリのいいポップなビートが印象的なナンバー。
1961年6月26日、テネシー州ナッシュビルのRCAスタジオBで優秀なミュージシャンによる最高のナッシュビルサウンドで<リトル・シスター/Little Sister>と共に録音。両面Aでシングルリリースされた。アメリカ国内はもちろんイギリスでもナンバー1ヒットを記録している。
スコティ・ムーア、ニール・マシューズ・ジュニア/ ギター
ボブ・ムーア/コントラバス
ハンク・ガーランド/ベースギター
DJ フォンタナ, バディ・ハーマン /ドラム、パーカッション
フロイド・クレイマー、ゴードン・ストーカー/ ピアノ
ブーツ ランドルフ/クラベス
マリーは恋人/ (Marie’s The Name) His Latest Flam
エルヴィスが1958年徴兵され、1960年に復帰するまでの2年間、エルヴィスは休暇を利用して新曲<アイ・ガッタ・ノウ>などを録音、大ヒットさせていたが、ロックンロールは壊滅状態にあった。
エルヴィスが軍隊にいながら孤軍奮闘というのは奇妙な話だが、事実は小説より奇なりなのだ。なにしろ逮捕、死亡、大怪我という有り様なのだから、国家的な陰謀が働いていたと思わずにいられない。
映画『ELVIS(エルヴィス)』に描かれたように、そもそもエルヴィスの入隊が、指一本動かしたら逮捕するという理屈にならない罪で逮捕状を手にした警官隊に囲まれてのライブの末の出来事で、刑務所から入隊か迫られる、
続いて1958年5月、ジェリー・リー・ルイスは、当時22歳で13歳の親戚の娘と結婚(淫行)により一線から退き、相次いでリトル・リチャードの引退し、神父に(1958年)さらにバディ・ホリーの飛行機事故死(1959年)が続き、さらに翌1960年にはイギリスでも、エディ・コクランとジーン・ヴィンセントが交通事故に遭い、コクランは死亡。チャック・ベリーは14歳のウェイトレスを連れ回し売春を強要した容疑で1959年に逮捕、懲役5年は後に3年に減刑されたが、1962年2月から1963年10月まで刑務所に服役した。
こうして60年には入れ替わるように軽快なアメリカン・ポップスが主流になる。
エルヴィスはキング・オブ・ロックンロールのプライドにかけて、少し穏やかなロックンロールと軽快なアメリカンポップスの二正面作戦でキングの名に恥じない活躍を続ける。
<マリーは恋人/ (Marie’s The Name) His Latest Flam>の後には映画『ブルーハワイ』のサントラ盤がリリースされ、前代未聞の25週連続アルバムチャート、ナンバー1のメガヒットを記録、映画もレコードも大ヒット、新境地を開いた。60年代エルヴィスの方向性を決定づけることになる、
いまも後を絶たない<マリーは恋人>のRemix
<マリーは恋人/ (Marie’s The Name) His Latest Flam>は、いまもRemixバージョンがアップされ続けている。
最大の理由は、エルヴィス・プレスリーのアウトプットの旨さにある。
60年代、エルヴィスはその声の良さ、旨さ、解釈、表現力、すべての面で突き抜けている。
『ELVIS:From Nashville to Memphis』を購入すれば理解できるはずだ。
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