エルヴィス・プレスリーのメンフィス・テネシー　Memphis,Tennessee

チャック・ベリーがスキャンダラスな事件で収監されたのは1959年のこと。

メキシコで出会った14歳のウェイトレスを連れ回した上、売春を強要した容疑だった。
マン法（不道徳な目的のために女性を州境を越えさせることを禁じる法）に違反したとして逮捕され「懲役5年と罰金5,000ドル」の判決が下った。

後に3年に減刑されたが、マン法はベリーのようなアーティスト達を狙い打ちするした法律とも言わていて、逮捕と判決には黒人差別意識も少なからず影響していると考えられている。

ベリーは1962年2月から1963年10月まで刑務所に服役した。

帰ってきたロックンロール

こうして先駆者たちが一線から消えた後、６０年代になると、ロックンロールを教わったこどもたちが一斉攻撃をかけはじめた。ビーチボーイズが、チャック・ベリーのイントロをそのまま使って「FUN FUN FUN」でやって来た。

イギリスではビートルズが「ロール・オーヴァー・ベートーベン」をアルバムに入れてメジャーデビューした。

「FUN FUN FUN」も「ロール・オーヴァー・ベートーベン」もカッコよかった。

ロックンロール第２世代のブームに乗って・・・チャック・ベリーはダック・ウォークで戻って来た。

Elvis For Everyone　エルヴィス店頭に立つ？

エルヴィスは1963年５月27日に一度レコーディング、64年１月12日に再度レコーディングしたが、すぐにリリースはされなかった。

65年には、ジョニー・リバースが「メンフィス」のタイトルでヒットさせ日本でもチャートインした。エルヴィスは1965年にアルバム「ELVIS FOR EVERYONE」に収録、リリースした。
なるほど「すべての人のために（＝FOR EVERYONE）」というだけあって、ごった煮的なアルバムになっています。

「ELVIS FOR EVERYONE」は、発売当初の日本盤タイトルは「偽りの心」だったと思うが、現在は「メンフィス・テネシー」として流通している。

1965年当時、映画のサウンド･トラックアルバムが中心だったが久々にリリースされたオリジナルアルバムです｡アルバム用に新規録音したものではなく、1954年サンレコードで録音した｢Tomorrow Night｣58年の｢Your Cheatin’ Heart｣60年代の名曲｢Summer Kisses,Winter Tears」さらに主演映画でアルバム未収録の｢In My Way」｢Sound Advise｣｢Santa Lucia｣｢Forget Me Never｣などが収録された。60年代特有のロマンチックな歌声が聞ける｡

「メンフィス・テネシー」は、マリーという娘と父の切ない別離を歌った曲だが、エルヴィスの胸にも熱く届いただろう。エルヴィスが、「メンフィス・テネシー」をカヴァーすることは、周囲に予想されていたという。亡き母グラディスと過ごしたメンフィスへの想いは強かったのは周知されていた。

エルヴィスは1963年５月27日にレコーディングしているが、64年１月12日に再度レコーディングした。そのバージョンが1965年7月にアルバムに収録されてリリースされた。

８月27日、ビートルズは、アメリカ・ツアー中の、彼らの人生を切り開いた動機になったエルヴィス・プレスリーに会うために、L.A.のビバリー・ヒルズのプレスリー宅を訪問。
ジョン・レノンは、このときのことを「映画にばかり出演しているのは許せなかったけど、セッションもしたし楽しい時間だった」と語っている。
ジョンの言うようにエルヴィスはメンフィスの自宅にも帰らず映画漬けだった。

「メンフィス・テネシー」を作ったチャック・ベリー自身もメンフィスに住んだことは一度もなかった。

エルヴィス・プレスリーとチャックベリーは会ったことはないが、チャック・ベリーはエルヴィスと一緒にやりたかったとコメントしている。

60年代エルヴィスのハートフルな素晴らしさを堪能

Memphis Tennessee,Too Much Monkey Businessも収録。

貴重な写真満載の48Pオール・カラー・ブックレットや、ジャケット写真をあしらったスタンプ・シートも付いています。
エルヴィス初心者にも、コレクターにも一生モノの貴重なのボックス・セット。