ジョニー・B.グッド

ロックンロールだ！

リードギターが突進してくる。続いてドラムが「それいけ！」と合図を送る。

ゴー！ゴー！ジョニー！ゴー！ピアノ、ギター、ドラムが一体となったロックンロールのお手本だ。

痛快だ！
ジョニーは伝説のロックンローラーだが、みんなに「行くんだ！自分を信じて突進しろ」と言ってるようだ。

そして、ジョニーは飛んで行った！

1989９年、ボイジャー２号によるネプチューン計画に協力するために、＜ジョニー・Ｂ・グッド＞をデジタル録音。
ディスクは宇宙船に乗った。

ジョニーは、遙か遥か彼方の宇宙へと旅立った。

ジョニー伝説は終わらない。

エルヴィス・プレスリー、セックス・ピストルズ、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、ビートルズなどのカヴァー、プレーは数えられない。

58年ビルボード最高位８位の記録以上に親しまれている不滅のロックンロール・ナンバー。

エルヴィスが大ブレイクした1956年、エルヴィスは映画に初主演しているが、チャックも映画出演を果たしている。そのうちの一本が「ゴー・ジョニー・ゴー」だ。

エルヴィスが白人の中の黒人なら、チャック・ベリーは黒人の中の白人だ。まるで白人のように歌う。

水玉のスカート、車、ドライブ、放課後の君とボク。17才で窃盗罪で逮捕された経歴を持つチャックが本気で歌ったのか疑問だ。

明るいからこそ余計に悲しい。ロックンロールが特別な意味を持った時代があった。

しかし、なによりチャック・ベリーをロックの神様とたたえるにはそれなりのわけがある。

ギターひとつで旅から旅へ、行く先々で「そこにいる」バンドをバックにダック・ウォークで歌う。

囚われないカッコ良さはミュージシャンとしては異質でもある。

そう！生み出したギター・リフをどれだけ多くのミュージシャンが模擬したことか。

ビーチ・ボーイズの代表作＜サーフィン・USA＞から、＜スウィート・リトル・シックスティーン＞がはっきりと聴こえてくるに至っては腰を抜かすしかない。

誰だって逆らえない。
神様になっていただくしか仕方がないのだ。

ローリング・ストーンズのルーツ、マディ・ウォーターズの魂を継承するチャック・ビリーのギター・リフをブルース命のキース・リチャーズが模擬しても不思議ではない。

キースが「ヘイル・ヘイル・ロックン・ロール」は必見。

キース・リチャーズに泣く、そしてチャック・ベリーに酔う。

自宅にエルヴィスを招待して、一緒に時間を過ごしたかったと語る。

「おまえさ、どんな気持ちで歌っていたんだ？」と聞きたかったのかも知れない。