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ジェリー・リー・ルイス Whole
Lot of Shakin' Going On ボ・ディドリーの〈モナ〉はトップ40入りを果たせなかった(ボ・ディドリーのレコードでトップ40入りしたのは、1959年の語りを使ったノヴェルティ作品〈セイ・マン〉だけだ)。 しかし、〈ホール・ロット・オヴ・シェイキン……〉には、大ヒットをする特別な要素があった。 この世を逸脱し、とんでもないところに踏みこむ危険なパフォーマンスというものが存在するとすれば、〈ホール・ロット・オヴ・シェイキン……〉は、その典型的な例だ。それなのに、この曲があまりに魅力的で感じがいいせいで、不安や危険を感じずにすむ(それでも最初は曲の出版を管理する組織、BMIから追放された)。魅力という力、法を重んじるふつうの市民の自己防衛心を油断させ、そのすきに奔放な熱狂を送りこむことができる魅力という力。〈ホール・ロット・オヴ・シェイキン……〉は、そういう力の証明だ。 「演技でやっているんじゃない」ジェリー・リーがそういうのを聞いても、聞く者はそれを信じない-----そしてそれがほんとうだとわかったときには、もう遅すぎる。 実生活上では、彼はそれをひとつに統合できず矛盾した思いを抱え、自分を救いようのない(いけないことだと思うのに、それを改めることができない)罪人としかとらえることができなかった。しかし音楽をつくるときや聴衆の前で演奏するときには、この三つがまるで天の定めであるかのようにひとつになった。 〈ホール・ロット・オヴ・シェイキン-----〉歌というより大騒ぎの。パーティー、楽器(+ヴォーカル)の妙技の大披露といったほうがふさわしい------は、アメリカのさまざまな民衆音楽と重なりあう部分が多いという意味で、また聞く者を何でもない状態から、からだを揺らす状態に変えることができるという意味で、これ以上は望めないほどみごとなロックンロール・レコードだ。 同時にこのレコードは、中国の古代の知恵の書、『易経』にあるぼくの好きなことばをすばらしい形で示すものでもある。夏の初めに雷----電気的活力---がふたたび大地から立ちのぼり、最初の雷嵐が自然を新しくするとき、長く保たれた緊張は解かれる。 ああ、こうした隠された感情!みんなとおなじようにジェリー・リーはそれを知っていた。 鮮やかなピアノ、鮮やかなギター、ぞくぞくさせる鮮やかな笑い声。鮮やかな神秘。たくさんのものがシェイクしている。
ポール・ウィリアムズ『ロックンロール・シングル・ベスト100』より
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